回遊式導線でキッチンへダイレクトに「白根の家」
回遊式導線でキッチンへダイレクトに
設計/maヤマシタマコト 設計補佐/小林紘大 監督/波潟靖
- コンセプト
- かつては農家が軒を並べていた集落の、細長い敷地に建つ。
周囲には古い農家やその作業小屋とともに、建て替えられた新しい家が目立ち始めてい。
そのような場所に、シンプルでありながら力強く、ずっとそこに建っていたように感じる家を目指した。
- 外観
- 主要な道路が東側にあり、そこからはかなり引いた位置に建つ。
そこで、杉板の箱をガルバリウム板金でつつむような外観とした。板金部分はすこしだけ袖壁が出ており、冬の強い風や夏の西陽、農作業小屋からの音などから家を守るような意匠としている。
- 内部空間
- 小さめの玄関からは、土間の玄関収納、食品庫を通って台所まで抜けられる。収納を介した大きな回遊動線を確保している。
主室は、天井高さが2230と抑えられ、さらに栂小幅板が張られることで、重心が低く落ち着きのある空間となっている。その一方で、天井まである大きな開口や吹き抜けのおかげで、圧迫感はない。開口部には壁から引き出される障子が用意されており、光や視線を操作することができる。
食堂にはベンチが設けられ、その一部には床下エアコンが埋め込まれている。
和室は小上がりとし、下部には引き出し式の収納を設けてある。
1階の洗面は鏡の大きなシンプル造作。2階の洗面脱衣所は広く取り、衣類乾燥室としても機能する。
吹き抜けを介して二つの個室が視線で繋がるよう、小窓を設けた。
- 外構
- 庭は、お客様が住んでから自分でコツコツ形にするために、めずらしく請負から外れている。
敷地も広いためゆっくりと作り上げていく楽しみがありますね。