杭偽装問題が話題沸騰。 住宅は大丈夫か?
横浜のマンション杭偽装事件は、第2の姉歯事件のように大問題化してまいりました。
杭工事を行った旭化成グループ全体で世間の厳しい評価にさらされています。
栃木の大洪水で丈夫なへーベルハウスということで上げた株価が、杭偽装で急降下した。両方とも地下の見えない杭部分が関係しているのが皮肉なものです。
建築業界全般に対する不信・不安が膨張しているのを感じます。
様々な技術的なお話は他のメディア解説に任せることにして、
新潟の住宅における地盤改良工事にフォーカスして語ろうと思います。
① 住宅は杭工事ではなく、現場施工の改良工事がメイン
横浜のマンションの場合、調査で予想した杭の到達深度に合わせて工場で杭をつくり搬入した。実際に埋めてみたら長さが足りなかった。工期も限られているので偽装した。
もしも、杭が現場施工でなされていたらこうしたことにはならなかった可能性が高いでしょう。
新潟の地盤改良工事は圧倒的に現場施工の「柱状改良工事」を用います。
直径60cm程度のドリルで地面をぐりぐり穴を掘り、支持層に達したら反転して抜いていく。
その際に、土と強固材(コンクリートみたいなもの)を混ぜたのを抜けていく穴に充填していく。すると柱状の硬い人工地盤ができていくという原理です。
かつての三条水害の時に、私の担当の住宅は、地盤をごっそり洗掘されたが、柱状改良杭の上に建物は傾きもせず残された。 実績も安全性も高い工法です。
② 新潟平野の支持層は予想しやすい。
横浜のマンション建築地は、もともと傾斜地で支持層が平たんではないのではないかと思われます。そうなると支持層は凸凹で、数mも離れると深さは異なり、局所的な予想が難しい。
新潟平野というのは信濃川水系の氾濫で、泥が堆積した地盤であるところが一般的。
平均で5.5m付近で支持層があり、だいたいどこでも似通っていてる。