コメリのチラシで新潟の冬の暮らしが透けて見える。
その1:石油開放式暖房器
本格的な冬が新潟にやってきました。
各家庭は「寒さ対策」へと動きます。そしてホームセンターへと足を運ぶ。
ある日、見かけたコメリのチラシが、新潟に住む人の冬の暮らしを物語っているようで記事にしてみました。
新潟の家の9割がたは寒い家に住んでいます。
寒い家とは全館暖めることをしないで、人のいる時に、居る場所だけを暖める。
「局所暖房、間欠暖房」の家です。
リビングの空気は暖かいけれども、それ以外の空間は寒いので、寒い家と表現しました。
暖房器具で一番使われている機種は「石油の開放式暖房器具」です。
新潟にはコロナとダイニチという石油暖房器具の2TOPの企業が存在し、8割の製品はメイドイン新潟です。
出荷数量は石油ファンヒーターの方が多いのですが、電気を用いないで使える反射式ストーブも、震災以降に売り上げを戻したとも言われております。
火事の原因のTOP:
新潟県における建物火災の出火原因は、「ストーブ」が54件で最も多く、次いで「こんろ」及び「放火」が53件となっています。
新潟の冬は天候が悪く、洗濯物を外に干していても乾かない。
唯一暖かいリビングに洗濯物を吊って干す家庭が極めて多いのです。
反射式ストーブの上に洗濯を干して、その落下で火災になる。
または、灯油の扱いなどで失敗し炎上する。
室内で火を扱うわけなので、このような事故が発生してしまう危険性があります。
空気が汚れる:
開放式暖房器具の「開放」という意味は、「排気を室内に開放している。」という意味です。
燃焼ガスには一酸化炭素と二酸化炭素が含まれます。
以前の事務所は低断熱で暖まらず、ファンヒーターを併用していました。
以前に記事にしたことがありますが、一酸化炭素中毒になりかけた時もありましたし、
普段からCO2濃度は2500PPMまで上昇していました。
「毒ガス発生装置」とももいえる開放式暖房で、メインの暖房は避けたいところ。
結露の原因になる
開放式暖房は、燃焼時に水蒸気も発生します。
灯油を1日に5L燃焼すれば、水蒸気は6L程度生じます。
寒い家はサッシの性能が悪く、表面温度が露点を下回る一桁になるはずで、特に窓の結露が止まりません。
局所暖房ですと、暖房していない部屋は天井壁も結露するという状態になります。
空気の回らなくなった壁際に置いたタンスの裏や、納戸とかが一番危険な場所です。
結露対策グッズは涙ぐましい・・・
サッシ結露の対策グッズとしてガラス表面に張るパネルと、サッシ枠に張る断熱テープが売られておりました。なんとも涙ぐましいことでしょう。
その下に、除湿機も掲載され、その脇に物干しスタンドもセットになっている。
寒い家に石油ファンヒーターを焚いて、洗濯を乾かし、窓がばちゃばちゃに結露して困っている。 チラシが9割がたの暮らしを物語ります。
根本的な対策としては、住宅の断熱性を高くすることです。
新築や断熱改修の出来ない世帯では、
開放式ストーブをFFストーブや高性能型エアコンに変更するだけで、空気汚染と湿度問題は大きく解消されます。