床暖房と床下暖房の違い
冬に居心地のよい室内にしたければ、足元の温度を高めることが大事です。
充分な床温度は、居心地が良いだけでなく、自律神経の正常化を通じて体の調子をよくしてくれる効果があります。
女性は男性よりも冷え症だとされていて、「頭寒足熱」となる温度環境を望む傾向があります。
足元が暖かくなる暖房方式として、「床暖房」と「床下暖房」があります。
床暖房は床の表面を直接暖めます。
室温を満足いくまでに高くするには床の表面温度をかなり高くする必要があります。
25℃~30℃というホットカーペットのような温度設定です。
しかし、直接触れる床の温度だけが突出して暖かい空間は快適ではありません。
快適な空間は、室温と天井・壁・窓・床といった表面温度に差が無い方が望ましい。
そこで他の暖房器具で空気温度を上げ、床暖房を補助的に用いることが一般的です。
対して、床下暖房は、床下の空間を暖めて間接的に床を暖め、床下の暖気を室内に取り込まれ室温を上げます。床下暖房での床の表面温度は20~22℃程度で、室温と床温度が近くなり、非常に快適な状態を実現できます。
詳しい説明はオーガニック床下暖房システム専用ページへ:
具体的にはオーガニックスタジオ新潟における標準的な断熱仕様で30~40坪の一般的な住宅を建てた場合は、エアコン1台の暖房運転で全館ベース暖房が可能になります。
さらにワンランク断熱性を上げたQ1.0住宅に至っては、平屋に近い60坪程度の広い住宅であるにもかかわらず、床下エアコン1台で一冬快適に過ごされたという事例もあります。
床暖房のデメリットをまとめます。
こうしたデメリットが無いところが床下暖房のメリットと言い換えられます。
① 無垢のフローリングが使えない
温度を25~30℃まで暖めると、無垢のフローリングは乾燥による縮みや変形が大きくなり、隙間が生じるために、床暖房専用の複層フローリング(合板)を使います。
② 初期費用が掛かる
暖房器具が他にも必要なため床暖房工事代金はそのまま初期建築費に上乗せになります。
③ ランニングコストも高い
床暖房は床の下に敷設するために、熱の100%室内に供給されず、10~20%の熱は床下に無駄に漏れる宿命にあります。
④ 床ばかり暖かすぎて不快
長時間、25~30℃の床に足が触れていると不快だし、敷設面積を一部に限定すると、床温度差が際立ってさらに不快です。