「天井を美しくせよ!」
網川原のモデルハウスの設計にあたって「美しい天井にせよ」との条件があった。
設計の阿部は、赤松の「線」を集合させて「面」にするデザインとしました。
長岡のアオーレや、新国立競技場の設計で有名な隈研吾氏の常套手法ですね。「木を線として用いて」伝統建築の格子をほうふつさせ、光と影と交錯するあいまいさで、美しい和の雰囲気を作り出しています。
(ガーデンテラス宮崎 ホテル&リゾートより)
モデルハウスに来てみないとわからないと思いますが、
天井の下地には、酸化鉄をえごま油で溶いて作られた自然塗料を塗り、拭き取りました。
木目が虎の模様のようにチラリとみえる。「笹口の家」のレンガ色と同じ発想で、消雪パイプの赤さびの色である。暖色系のアースカラーが冬の新潟の室内にふさわしいと考えました。
(日経ホームビルダー掲載記事より)
見本段階では、黒い下地も試したけど、さび色で正解であった。やはり新潟らしさを追求したいところです。
大工さん お疲れさまでした。
実際の施工にあたって、現場で天井を向いての取り付け作業だと、とても辛くなるので、
作業場で合板の下地を床に置いて、その上に取り付けてから現場に運んで貼ればいいと指示をしていた。でも、それだと途中でつなぎ目が出る。大工と監督のプライドで、現場施工に切り替えてくれました。
合計で150本もの木材を、大工が4日がかりで天井に貼り付けてくれた。
大変お疲れさまでした。 材料自体は壁の下地に使うような安い米松であるし、
下地は針葉樹合板なので、いずれも材料費としてみれば極めて安い一般的な材料です。
しかし手間がべらぼうにかかっている。
建築は、料理と同じで、材料にこるか手間をかけるか?
この天井は手間をかけたて良いものを作り上げたという好例です。
天井高は我々の定石通りに2m25cmの高さで抑えられています。
(関連記事:理想的な天井高はどの程度か?)
大和ハウスに比べて45センチも天井高が低い。(笑)階段で2段以上の低いことになります。
しかし、格子の天井のおかげで圧迫感が感じられません。 それが想定外の効果でした。
障子も天井のデザインと呼応して、縦の割り付けデザインです。
障子の鴨居の上に仕込まれた、LED間接照明で、天井のラインは引き立っている。
何気なく、バブルランプもデザインとして呼応しています。 何十年も前のアメリカ製のデザインであるのに、おもしろいことです。美しさに普遍性がありますね。
一体でハーモニーを奏でている。 う~ん 美しい・・・・
見学された方の評判も、WEB上で見てもらった 建築家の方々からの評価も上々でございました。