OWNERS COLUMN & INTERVIEW

オーナーズコラム&インタビュー

vol.3 こだわったところ、実際はこうだった。

めぐみめぐみ

ご無沙汰しております。めぐみです。
Vol.2以降、ずいぶんと間が空いてしまいました。

年末年始は酒屋のかき入れどき!

師走は酒屋にとって1年で最も忙しいかき入れどきであり、
年間売上の何割かがこのひと月に集中します。

普段は裏方の私も、先月は食事番に加えて細々と店の手伝いをしておりました。
この時期1人欠けたら店がまわらなくなるため、インフルだのノロだのの情報にビクビクするのが常でしたが、今年はお陰様で誰一人体調を崩すことなく乗り切ることができました。
この度の大雪も、師走を外して来てくれてありがたかった!

そういえば入居してから、子供たちも大きな風邪をひいてない。
息子の喘息もでていない‥‥外から一歩家に入ると眼鏡が一瞬でくもります。
まさに別世界のぬくぬく空間。
偶然か、否これがオガスタ住宅の真価なのか?!
それは今後ゆっくりと検証するとして  笑

我が家のこだわったところ。

長いこと新居の妄想をしていた私は、打ち合わせで阿部さんに、ずーっと頭の中で描いていたあぁしたい、こうしたいの注文をアレコレと聞いてもらいました。
その中には「いいですねぇ、やりましょやりましょ!」と賛同されるものもあれば、「うちは推奨しませんよっ。やめといた方が賢明です。」なんて冷ややかに突っぱねられたりしたものも。(笑)

今回は、2ヶ月住んでみて、使ってみての、やっぱり良かった〜!や、
阿部さんの言うこと聞いとけば‥‥と一瞬思ったことなど、
憧れと現実の狭間で今も揺れ動く我が家の、実感のこもったレポートです。

その1.漆喰の塗り壁と黒い床

雑誌「住む」を愛読していた私。
美しい写真と、ご家族の暮らし方をまるごと形にしたような等身大のお住まいを、毎号楽しみにしていました。素敵だな、とチェックすると大抵、そのお家の壁は漆喰塗り。
珪藻土より艶があり、光が柔らかに部屋を照らす様子にうっとり。
本来、本物の漆喰は何層もの下地を塗った上に仕上げるのでコストがかかるのですが、阿部さんが私の要望を聞いて思案してくれました。

我が家で採用したのは、目地どめした構造材に直接漆喰を塗っていく、直塗り工法。珪藻土に比べ格段にクラック(ヒビ)が入りやすいというリスクがあり、これには危機管理担当の夫の顔も曇りぎみ。しかし、思い切って挑んだ結果は、大正解でした。

今のところ下地のつなぎ目に一本、クラックは生じてしまいましたが、さほど気にならない。しっとりした壁の質感は唯一無二です。大きな開口が多く明るい我が家ですが、漆喰の白と相まって眩しいくらい  笑  漆喰壁には多少、光を抑えた方が陰影のある美しい佇まいとなると思います。

お考えの方は、開口の位置や面積をよくよく検討して下さいね。

また、漆喰壁に合う床を想像した時、無垢材そのままの色でももちろん素敵だけれど、私は杉板を黒く塗装したいと考えました。

イメージはお寺や古民家の黒光りした床や、海外のやはり古い住宅。
和とも洋ともつかず、飴色の古い家具にもなじみ、経年するほどいい感じの艶がでてくるのが理想です。
何パターンも塗装サンプルをつくってもらい、オイルステインと墨汁でマットに仕上げたものを選びました。施工した床を見た時は、鳥肌もの!白と黒のコントラストは私的にかなりかっこ良く、黒い床は意外にも家具を選ばないのです。

しかし、住んで2ヶ月しか経っていないのに、うちのリビングはなぜか傷だらけ‥‥
柔らかな杉は、ちょっとしたことですぐに凹み、傷になります。
小さな子供、特に男の子のいらっしゃるお家は要注意。
黒い塗装はとにかく埃や傷が目立つ!てんてんと傷跡がついていくのを、涙をのんで耐えることに  笑  子供が工作したり飛び跳ねるようなスペースにはラグを敷くことをお勧めします。
また、塗装した床は裸足で歩いていればもちろん色がつきますよ。
どのくらいで落ち着くのか様子をみていますが、とりあえず家族ぶんの黒い靴下は買い足しましたし、友人を呼ぶときは黒い靴下を指定します 苦笑

それでも後悔は1つもなし!
内装の雰囲気は壁と床で決まると考えていたので、良い選択をしたなぁと満足しています。

その2.造作キッチン

キッチンには具体的なイメージが1番ありました。
長いこと、1日中そこに立っているような生活をしてきたので、使い勝手はもちろん、居心地が良くいい気分で仕事ができるようにしたくて。
水場なので悩みましたが、ずぼらな私が自ら手入れしたくなるようなチークの天板に、TOTOの実験流しをはめこんで貰いました。

水汚れやカビなどを心配していたけれど、壁付けの水栓は最高。
根元に水が溜まることもなく、伸びるシャワーがついていて流しを洗う際の水はねも気になりません。これはリクシルさんのもの。

それに、チークってほんとに強い木です。
硬いし、油分が多いのか?水汚れもさっと拭き取ればしみることもなく、きれい。
月一で蜜蝋を薄く塗っていれば、その性質をキープできると思います。

ただ、実験流しは気をつかいます!
洗面や手洗い場は良いと思いますが、キッチンには向かないかも‥‥まず、陶器で出来ているので基本、お皿やコップは割れやすい。重たい鋳物鍋なんかを洗うとき、少しズリっと擦れると、傷やお鍋の塗装跡がついちゃうし。
専用のマットみたいなものを置いて洗うとよいかもしれません。

また排水溝がヌルつきにくいのは良いのですが、網じゃなく穴がポコポコ空いてるだけなので、野菜クズとかお茶っぱの細かいのがどんどん流れて行くのも気になっています。
実験流し用のゴミが流れないアイテム、どなたか教えて〜

その3.イエルカストーブ

オガスタさんには、鋳物のストーブを勧められたんです。
まず燃焼効率が良いし、相まって煙突に煤がつきにくい。
大きな窓から揺らめく炎が見えるのが、薪ストーブの醍醐味だと。

ですが我が家が選んだのは、スチール製のイエルカストーブ。

長野の山奥で暮らしておられるチェコ人、イエルカワインさんが手造りしている薪ストーブです。
彼は絵画や陶芸、ストーブ造り、奥様が織物などをされて暮らしておられ、昨秋そのお宅にもお邪魔させてもらいました。鉄で出来たシンプルで無骨なつくりと、各国を旅したイエルカさんからみた、日本の侘び寂びがストーブに落とし込まれている気がしましたし、道具としての美しさが気に入りました。

1番心配していた燃費について。
我が家は基本、週末や、ちょっと時間の出来そうな夜間に薪を焚いています。
毎日の暖房器具と言うより、余裕がある日のお楽しみ。
焚きつけに3〜4本薪を入れて、ガンガン火が起こるまで約1時間弱、以降1時間に1本づつ追加していく感じで、想定していたほど燃費は悪くないかな?これで家中暑いくらい。
イエルカストーブにはオーブンがついていて、300度くらいまで温度があがります。
熱の質が違うのでしょうか、ピザもパンも驚くほどパリッと香ばしく焼け、お肉も硬くならずにしっとり焼きあがります。

ただひとつ、窓が小さいのと、性能上ゆっくりゆらゆら揺らめく炎を楽しむことはできませんので悪しからず。燃え方は、赤い炎でわ〜ってな具合。
私はそのへんも可愛いなと思っているのですがね。

その4.引き込みの戸袋サッシ


玄関からすぐの部屋が土間になっています。
季節の良いとき窓を開け放って庭を眺めながら朝食を食べたり、ポーチでバーベキューやプールをした時、外との行き来がしやすいだろうなぁと。
そうなると、引き違いサッシでは出入りするスペースが狭く開放感が弱い。
阿部さんに、戸袋サッシをお願いしました。開けると窓が壁の中にすっぽり収まる、アレです。

阿部さんは、「窓枠が構造上そとに出てしまうことで結露が生じやすくなるし、戸袋内の掃除は出来ない」と渋い顔。しかしこの頃にはもう私、阿部さんの渋い顔には慣れておりました 笑


結露しても、掃除できなくでも戸袋でお願いします!」と私。
しかし、「掃除ができないのは駄目!」と再び登場した危機管理担当、我が夫。
都屋(店舗)のほうにも戸袋の引き戸があり、以前小石が入って開かなくなり苦労したのだそう。
困ったなぁと思っていたら、スーパー現場監督の小林さんが「戸袋、ビス留めにして外せるようにしましょ」と提案して下さり、ことなきを得ました。
これなら取り外して掃除、出来ますもんね。

そして肝心の結露の様子ですが、今のところほとんどありません!
寒い日は窓の近くが多少冷んやりする感じはありますが、窓際で食事をするわけではないし、全く問題ないと言って良いと思います。

内側からは窓枠が見えずスッキリ。
春に草花が芽吹いて窓を開け放つのが、今からとても楽しみ。

番外編.色々こだわっていたら収納がちょちょらに

あそこも、ここもと鼻息が荒くなるあまり、とっても肝心な収納のツメが甘くなってしまいました。具体的に言うと、棚の高さやレールの位置。

例えばトイレの棚板は高すぎて、背伸びしてやっと替えのトイレロールに手が届きます。

クロゼットのレールの位置も、その上と下に置くものを具体的に想定していなかったので、服を掛けたレールの下は狭く、上の棚が低い位置についていることで上のスペースが中途半端に広い(^^;;


こんなふうな、ちょっとした不便さが収納のそこここに残ってしまいました。
図面を眺めて打ち合わせしても、なかなか実感がわきません。
収納を考えるには目感覚がとても大切。
それに置く予定のプラケースや引き出しなんかの寸法も、測っておくべき。
今思えば現場にどんどんお邪魔して
(いやいや、収納以外では毎日のようにお邪魔していた私ですが。)
具体的な棚板やレールの位置、決めればよかったなぁ〜。

何をどこに置きたいか。
誰が使うか。
出す、しまうをどんなふうにしたいか、よーく考えて下さいね。

私も工夫して、もっと使いやすくカスタマイズしようと企んでいます。

余談ですが、新居で犬を飼い始めました。

昨夏のはじめ、家を建てたらまず何したい?と子供たちに尋ねると「犬飼いたい!」と長女が叫びました。妹も即座に賛同。犬アレルギーでどちらかと言うと犬を嫌遠していた弟もなぜか巻き込まれ、そんなに飼いたいならそれぞれ生活の目標を決めて、達成した暁にワンちゃんを迎えよう!という計画をたてました。
(またとないチャンスに、宿題も手伝いも目標にこじつけさせた母)
ミッションは順調に行けば入居に合わせて達成する予定だったのが、諸事情あって年明けにずれ込み  笑
1月7日に、ペットショップで運命的に出会ったワンちゃん、とうとう我が家にやって来ました。
白柴の小鉄(こてつ)です。

戌年に犬が来るなんて、なんだか縁起いいし!今は玄関で育てていますが、春が来たら外にお家を設置予定。
ねぼすけだった姉妹が目覚ましをきっちり守り、朝も夜もしっかりお世話と躾をしています。
生き物って、子供の情操教育にものすごく良い。

犬なんて、ただでさえ忙しいのに4人目の子供と一緒じゃん(-。-;と引き気味だった私も、子どもたちが見てない隙に、こっそり撫でては癒されております。

めぐみ

めぐみ

酒屋に嫁いで12年、新潟市親松「地酒の都屋」のヨメ。 このたび、私たち夫婦と3人のこどもたちで暮らす家が完成したばかり。日々のこと、お店のこと、お料理とお酒のマリアージュ。 地酒の都屋:http://www.niigata-miyakoya.jp/

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