木曜日は植栽計画
例えば、外壁をグレードアップして、80万円お金が余計にかかったとしよう。そんな予算があって、見てくれをよくしたいなら、樹木を植えたほうが効果的です。
「緑は最高の仕上材です」とは誰の言葉だったか。
実に的確な表現だと思う。
どんな建材でも、時間と共に古びてくる。しかし、樹木だけは逆でむしろ時間と共に立派になってくる。
( 上: 完成直後の「内野の家B」 下:3年後の様子 )
建物がガッツンとむき出しで建っているのは、なんともうるさい感じだし、時には恥ずかしいくらいの物件もある。周辺環境と建物を優しく隔ててあげて、なじませてくれるのは樹木に勝るものはない。もしも、変な外観の家を建ててしまったら、樹木で隠してしまうのが一番でしょう。
外からの眺めだけでなく、内部環境も良くしてくれる。
ほとんどの住宅計画は、建物の内部のあれこれ考えるだけでは、どんなに一生懸命がんばっても良い家にはならない。
「設計とは外部環境と内部環境との関係性を形にすることです。」とは、安藤忠雄のセリフです。
すぐれた設計は、家の外と中を同時に設計していくのです。
外構計画といえば、やたら金がかかるブロック積みやアルミフェンスで敷地を囲んでしまうことは過去の発想で、金をかけた割にいい雰囲気にならない。
一般の庭師に頼んでも、家の中からの眺めだけが良くて、管理に金のかかる庭しか発想できない。建物を惹き立てるということの発想も乏しい。
植栽計画というと大抵の住宅会社の設計担当者は尻ゴミしてしまいます。
本気でやろうと思うと、住宅に負けないくらい奥が深いということを知ているからなのか、完全に興味がないからなのか?
「外構計画は、お施主様の好みなので自由にしてもらうことにしてます。」というセリフをいっぱしの設計士からも聞いたことがあるが、じゃぁ建物の設計は外部を無視しましたということを言っていることと同様で、そうした設計者は格が低いといっても間違いはない。
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以上の文章は: サラリーマン時代 2006年の時に書いたものの蔵出しです。
植栽計画のポイント
植えるだけ植えましたという場合でも、いまどきの流行の雑木は、風当たりが強い場所だと枯れたりします。樹木それぞれの植生の特徴をしっかり踏まえた上で計画立てないといけないのです。陽樹と陰樹とよばれて、光を好む樹木、光が弱くて見生きる樹木という違いもあるわけです。
全体あるバランスと使い分けは大事ですね。
理想をいうならば、建物を補うように敷地全体の中で一体的になった計画がよろしいです。あたかも生物のように複数の細胞で息づく命のような、緑と建物の一体になった住宅のありよう。ここまでの領域になるにはただならぬ知識と想像力が必要と思われます。
ともあれ、建築費で予算を押さえておくのを忘れずに。 最低でも5%。10%となれば文句なし。外構計画、特に植栽には力をかけましょう。
今回の写真の物件は、「内野の家B」 オガスタ史上最安値のご予算で、どこまでできるか施主とチャレンジした物件です。 家に金が掛けられないから庭木の成長にすべてをゆだねました。 みごとに緑豊かで、夏が非常に涼しい家に成長して喜んでもらっております。