和瓦と黒杉板の現代版民家「金沢町の家」
和瓦と黒杉板の現代版民家「金沢町の家」
設計/阿部誠治 監督/波潟靖
- コンセプト
- 東側道路58坪の敷地に建つ、2台分のガレージを組み込んだ住宅。
施主様からのご要望である落ち着きある和の雰囲気の住宅。
- 外観
- ガレージ部分をそとん壁の掻き落とし仕上げ住居部分は杉板の黒塗装とした。塗装はプラネットカラーのエボニーを使用。屋根には安田瓦。
ガレージと玄関のつながりは、御影石の古材を活用したステップが格式を高めている。玄関前のそとん壁が程よく玄関の遮蔽度をたかめており安心感がある。
- 内観
- 玄関は定番の洗い出し仕上げの土間。建具には簀戸を提案した。新潟唯一の簾編み職人に依頼し制作している。簀戸を用いることで玄関の温度差も軽減される。リビングに入ると、やさしい色味の壁紙を使っているので反射がやわらかく、室内が穏やかな雰囲気になっている。吹き抜けの光のエッジが立っていて美しい。窓辺には一段上がった居場所をつくり、可変性のあるロールすだれを設けて隣家からの見下ろし対策とした。キッチンから脱衣所につながるストレスフリーな家事導線。キッチンはオリジナルのⅡ型キッチン、そして冷蔵庫は隠れるようなポジションへ。食品棚も目につかない冷蔵庫の対面に。その奥が納戸となっている。
寝室はタタミ敷き。踏み込みの板間を設け、腰壁は板張りとすることでクロスの傷、汚れ防止としている。吊り押し入れ下に布団をざっとしまえるようにした。
- 外構
- 玄関前のわずかなスペースに植樹。下草はDIYですこしずつ植え込む。そとん壁が背景になり優しい雰囲気に。
ガレージからも見える主庭は、常緑のヤマボウシ、カツラなどを植え込み、外壁共材でつくった板塀でぐるっと囲んでいる。