次回のビルダーズの特集で、第4回日本エコハウス大賞受賞の「グランドピアノのある家」の撮影を行うことになりました。
審査員の前先生もそれに合わせて新潟入りしていただいたので、
審査員でもありますから、この家への感想も少し載ること事かと思います。
(撮影合間に木藤編集長と原稿の打ち合わせもしたりして)
撮影があくまでメインの訪問目的です。
担当していただいたカメラマンは雨宮様。
雨宮カメラマンによる撮影でした
雨宮さんの写真は雑誌「住む」でよく登場します。
中村好文さんのご指名カメラマンと知られている写真家で、
情緒的な作風に定評があります。
雨宮さんを、あえて飯塚さん設計の、すかっとした建物にぶつけてきたのがミソ。
今回の撮影はちょうど日本海側の冬。
天候も芳しくなく光が乏しい。
明るい開放感のあるすかっとした写真だけでなく、
少しウェットな外観の出来栄えなどを期待してのキャスティングだという。
とはいいつつ、雨交じりの天気。
高価なカメラはもちろん、純正の煽りレンズは大きく出目金のように飛び出ているから、
雨に当たらないよう、私は撮影助手として傘をさしてサポートする。
すぐ脇で、名手による建築撮影の様子を眺めることができたのはうれしい。
細かな撮影テクニックがかなり勉強になりました。
住宅を見る目の肥えたカメラマン
雨宮さん本人も、中村好文さんの設計した70㎡の小さな愛らしい家に住んでいる。
中村さんは大きな豪邸も手がけているようだが、あまりわざと表に出さない。
中村さんといえば小さな家が真骨頂。
小さな家の方が、ヒューマンスケールに合っていて、
巧みなプランニングを活かしやすく、魅力を出せるのだろう。
以前のビルダーズの、堀部さんが楽日荘を訪問した際の撮影も雨宮さんであって、堀部作品も撮ったことがあるという。
「堀部さんは、小さな家も、大きな家でも両方うまいのが珍しいよね」
雨宮さんは長らく様々な建築の作品を撮影してきた。
お金持ちでやりたいことを満載した欲望むき出しの大きな家よりも、
設計者がやりたいことが明確でまとまっている家の方が、
狙いがわかる分だけ撮影がしやすいと言う。 建物と会話しながら自然にポイントを決めていた。
雨宮氏は、住宅の良し悪しを見る目が肥えまくっている。
雨宮カメラマン 「この家は住んでいて暮らしやすいでしょう!?」
Gピアノのある家ご夫婦 「はい!とっても!」
「建築撮影ってのは、建築家が空間を見せたいから、空っぽで撮影して空間そのものの勝負をしてきたけど、居心地や雰囲気の表現へとシフトし、「くらしを撮る」「住む人間を撮る」ことになってきた。 ここで てんでダメになる住宅が多いんだよね・・・・。」
帰りの新幹線を待つ間、清酒をおちょこに寿司をつまみながら、なんとも含蓄のある言葉をいただきました。
・・・・・・・・・レポート(相模)