木質系床材には、無垢(単層)のフローリングと、
複合フローリングとに大別できます。
その差を確認してみましょう。
複合フローリング
「一層以上の基材の表面に、0.3~2mm程度の厚さの化粧加工用の木材を張ったもの。加工材の普及に伴い、施工が増加しており、一般的な住宅の主流となっている。
(中略)
化粧加工については、無垢材の突板を張り合わせることもあるが、床材としての耐久性を保つため、WPC(プラスティックと混成した木材)をはじめとする特殊加工化粧材が用いられることも多い。
狂いが無垢材と比較すると少なく、施工・メンテナンス・取り扱いも無垢材に比べると容易。多くは塗装されており、カラーバリエーションも豊富。(但し、表層を越える傷が付いた場合、見た目が極端に悪くなる。)」
(WIKIより)
この説明にあるように、複合フローリングは、
合板の上に0.3mm程度の薄い板(突板)が張られている状態のものです。
暮らしているうちに椅子の移動か何かで、この突板がめくれると補修のしようがなくなる。
新築時が最高得点で、あとはマイナスされ続ける建材です。
写真の左のもののように、さらにその突板がカラーリングされると、さらに木の表情が失われます。
複合フローリングは、突板の保護のために表面はウレタンの塗装が施されています。
この塗装のおかげで表面がテカテカしているので、見た目の風合いは数段劣りますし、足触りの感触もペタペタします。
写真撮影は事務所にて行いました。下に置いてあるのが無垢のフローリング。
一方で複合のメリットとしては、
無垢が一枚一枚張るのに比べて、複合フローリングは数枚分が1対になっているので、施工速度が4~5倍になり、大工手間が省けます。さらに 塗装品なので、後からの仕上げ・塗装工程も省けます。だから、ローコスト住宅の必須アイテムです。
また、寸法安定性がよく、フラットな仕上がりになります。
シートフローリング
合板系の複合フローリングには、「シートフローリング」というものもあります。
合板の上に木目などを印刷したシートを張った工業製品です。近ごろは印刷技術の進化で突板系のフローリングとぱっと見が判別つけられないほどの製品があるようです。
特徴は 突板系と大差はありません。 もっとも無垢フローリングと遠い存在です。
(写真:フローリング職人日記より転載)
3層フローリングは別格
複合フローリングの一種ですが、4~5㎜ほどの薄い板を 3層で張り合わせたフローリングもあります。表面の板が厚く、仕上げもオイル系で、無垢と同じ風合いがあります。厚いために無垢板と同様に長期的には研磨することも可能。
複合なので変形しにくく、フラットな仕上がり。無垢と複合のたがいのメリットを併せ持つ、フローリングの頂点と言える製品です。
ただし、無垢のフローリングよりも高価で、高額な住宅でよく用いられています。
当方でも高額案件の際には、3層フロアを用いることもあります。
(例:上野住建のアドモンドフロア)
無垢x複合のメリット比較
無垢との比較で メリットを整理すると以下のようになります。
風合い・見た目・・・・無垢
足触り・・・・・・・・無垢
耐久性・・・・・・・・無垢
コスト・・・・・・・・複合
寸法変化・・・・・・・複合
両者とも特徴があるわけで、どっちがいい悪いということはありません。
住まい手の価値観に合わせて選べばいいことです。
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ここまでは教科書通りに書きました。
オーガニックスタジオ新潟の価値観においては、
あのつるつるてかてかのぺったりしたのを床に張って。
おまけにビニールクロスにビニールシート張りの建具が
ふつうはセットになっている。
そんな 張りぼて感のある空間に 居たくはない。
正直、アパートの内装と変わらない。
仮の住まいなら我慢したとしても、一生一回の家づくりで使う材料としていかがなものか?
「早い・安い・掃除が簡簡単」
こうした作り手の都合で作られた代用品が、売るためのセールストークでユーザーを長期で洗脳し、あたかもまがい物のほうが主役になってしまったことは悲しいことです。
こうした新建材が、日本の家づくりをとても貧しいものにしたと考えます。