大屋根の小住宅「早通の家」
大屋根の小住宅「早通の家」
設計:一級建築士事務所 ma ヤマシタマコト
監督:小林秀昭
- この地域は1970年代に開発された住宅地で、緑も多く、成熟した感がある一方で、建替えが進みつつある。この計画もそのうちのひとつである。
設計者の友人である夫婦と、子供ふたり、猫2匹のための家である。
小屋のように小さく、しかしおおらかに住まえる家が求められた。
- 外観
- 車庫からロフトまでを大きな一枚の片流れの屋根で覆い、シンプルな小屋のような印象にしている。
道路側の外壁は落ち着いた色調のそとん壁としたが、街並に良くなじんでいると思う。
そとん壁がシックなので、単調にならないよう、玄関ポーチの上部にレッドシダーの縦格子を設けてアクセントとしている。
造園工事は時期的に好ましくないとのことで、来春行うこととした。
(庭が完成しましたら写真を入れ替えます!)
- 内観
- 内部は主寝室、猫部屋、トイレを除いては建具のない、ほぼ一体の空間である。
屋根勾配をそのままに、主室からロフトまでをラワンベニヤで仕上げた一枚の大きな天井で覆っている。おおらかな空間であるが、濃く赤いラワンの天井が、落ち着きを与えている。
用途によって床の仕上に変化をつけており、主室はナラフローリング、寝室はカーペット、猫部屋はコルクタイル、水廻りは磁気質タイル、ロフトはラワンベニヤ仕上としている。
- 家具
- 施主の好みもあり、家具はラワンで統一している。それも、家具というよりはざっくりとした木の箱と見えるようにデザインした。キッチン自体も、背面の収納も、家具的な意匠はできるだけ廃し、そっけないほど素朴に見えるようにしている。しかしそれがかえってラワンの色を引き立て、印象的な家具になったと思う。
- 空調計画
- 暖房はキッチンの背面収納に組み込まれた床下エアコンで行い、必要な個所にガラリ及びブースターファンを用意している。冷房はロフト上部に設置した冷房用のエアコンで全巻冷房を行う。
換気はロフト下の階間に組み込まれたローヤルの熱交換換気扇で行い、新鮮空気を床下に送り込んでいる。