以前投稿した「新潟市COOL CHOICE推進チーム会議レポート:前編」の続きです。
今回は、本チームで検討した具体的な施策について、お伝えしたいと思います。
住まいにおけるCO₂削減に向けて、以下の4つの取り組みが検討されました。
①高断熱住宅の体験
新潟では「冬の家は寒い、冷えているもの」という意識を持たれている方が多いです。
寒い家での生活が当たり前となり、あたたかい暮らしを諦めてしまっている方々に、
高気密高断熱住宅を体験してもらい、その意識を変えていこう、という取り組みです。
高気密高断熱住宅は世間に広まってきてはいますが、
体感したことがない方にとっては、信じ難いことだと思います。
そのため、体感する機会をつくり、実感してもらうことで、
新潟でも「あたたかい暮らしが実現できるんだ」という意識改革により、
新潟の住宅レベルの向上にもつながると考えています。
②断熱DIYワークショップ
自らの手で壁に断熱材を入れたり、サッシを断熱性能の高いものに変えたりする体験をすることで、
暮らしの中の環境対策を身近に感じてもらおう、という取り組みです。
高気密高断熱住宅で暮らしたいと思っても、やはりイニシャルコストはかかりますし、
すぐに建て替えということは難しいと思います。
ですが、無断熱の家に、断熱材を入れたり、サッシを変えたりするだけでも、だいぶ違ってきます。
そういったところから、断熱の重要性を知ってもらえればと思っています。
これが学びの場となり、作り手側の人材育成にもなるでしょう。
③セミナー・相談会
①と②は一歩踏み込んだアクションとなりますが、
まずは情報を入手したいという方々に向けて、やはり情報提供の場が必要になります。
今やあらゆるSNSで家づくりに関する情報が溢れ、
どれが正しい情報なのか、と迷走してしまう方が多くなっています。
また、断熱基準の数値などは地域によっても差がでてくるので、
新潟での家づくりにマッチする情報も自分で選定しなければなりません。
意識改革の第一歩として、多くの方に正しく有益な情報を提供できる機会をつくれたらと思います。
④ラベル・認証制度
すべての取り組みの前提として紐づき、まず1番に取り組むべきと考えるのが、
環境・健康に配慮した住宅基準の策定です。
新潟市としての望ましい住宅像を明確にし、良質な住宅の普及促進を行うべきと考えています。
施工する事業者がそれぞれに取り組んでいても、ユーザーは判断しづらいものです。
新潟市のラベリングでの裏付け、いわゆる”ホワイトリスト化”によって、
ユーザーが安心して優良な選択ができる仕組みを作りたいと思っています。
実際に、鳥取「とっとり健康省エネ住宅 NE-ST」や山形「やまがた健康住宅」など、
このような取り組みを実施している地方自治体が増えています。
さらに、既存の住宅ストックや空き家の活用として、リノベーション需要も高まってくるので、
新築だけでなく、フルリノベーションや既存住宅の断熱改修など、
複数メニューでのラベリング制度を設けることや、重点エリアのマッピングについても検討しています。
本チームでは、こうした施策の方向性まで議論・検討を行いました。
今後は、それぞれのプロジェクトチームが発足され、具体的に実現に向けて動いていく予定です。乞うご期待ください!
みんなで新潟の家づくりをよくしていきましょう!