1か月ほど前のお話ですが、設計部で建築の魅力が詰まった長野県へ行ってきました。
新潟並みの長さがある長野県ですが、今回行った小布施町から奈良井というところまででもなんと141kmもありました。
1泊2日なのに盛り込みすぎてしまいましたので一部を紹介します。
善光寺
建築を学んできた中、恥ずかしながら善光寺へ訪れるのは初めてです。
本堂にたどり着く前の仁王門から迫力がありました。
仁王門の中央に掲げられているのは山号という仏教の寺院につく称号で、多くの寺院は山の中に建てられたことからその山の名前を寺院の名前の前につけるようになったようです。
これまで気にして見たことがなかったので今後寺院を訪れるときは気にしてみようと思います。
さらに山門を抜けて進んでいくと本堂が見えてきました。
本堂は屋根が二重に見えますが、実は屋根の1段目のように見えるものは喪腰という庇です。
このように反りあがった二重屋根のように見える美しいシルエットが善光寺の魅力だな と感じました。
神長官守矢資料館
こちらは藤森照信氏設計による資料館で、周りにもいくつか変わった建築があります。
長野へ向かう途中に聞いたのですが、山田さんは藤森さんの建築をみたことがきっかけで建築の道に進んだようで、原点と言っていました。
平日だったせいか、この時間の見学は私たちだけで資料館を隅から隅まで案内して頂けました。
話を伺っていて驚いたのですが、資料館の構造は鉄筋コンクリート造で作られていました。※てっきり木造だと思っていました。
サワラの外壁の中を除くとコンクリートが見えます。
資料館の中は平衡感覚を失うような変わったつくりをしていて、進んでいくと不思議な感覚になります。
壁は藁とモルタルをまぜた塗り壁に土を吹き付けているようです。
分厚く、角という角のない優しい印象でした。
角の印象を無くすことで壁と床の接点を丸く仕上げることで切り替えが曖昧になり、空間が広く感じるようです。
資料館の周りにある藤森氏設計の建築は遊び心があり、建築を楽しんでいるのを感じました。
↑高過庵
ピサの斜塔が1位に選ばれている、「世界でもっとも危険な建物トップ10」にも選ばれているみたいです。
↑低過庵
高過庵のすぐ横にあり、低過さを際だたせています。屋根がスライドして中に入れるみたいです。
↑空飛ぶ泥舟
4本のワイヤーでつるされた茶室です。どうやって入るのでしょう…
ユーモアあふれる建築で見ていて楽しく、入ってみたくなりました。
奈良井宿
官守矢資料館から高速で名古屋方面へ約1時間半。。。
奈良井宿という宿場町へ訪れました。
奈良井は約1キロほどあり、日本の宿場の中で最長のようです。
江戸時代の当時の街並みを大切に保存されています。
2階がせり出し、庇の上に取り付けられた猿頭(庇の反り防止)といった造りが特徴的です。
殆どの窓は木製で、アルミの窓もありましたが隠すように木の建具がありそういった小さな積み重ねで素敵な街並みが作られていました。
景観を保存している宿場町は多いですが、奈良井宿は現在も人が生活していて朝は子供たちが駅に向かって歩いていました。
夜に到着し朝早く出発したので宿と街並みのみ堪能しましたが、奈良井宿では食べたり買ったり時にはお祭りがあったりと楽しめるようです。
A・レーモンド「夏の家(ペイネ美術館)」
こちらは軽井沢タリアセン内にある美術館です。
オガスタの住宅思想になっているアントニン・レーモンド。
少し前にカトリック新発田教会のブログでも登場した建築家です。
もともとはレーモンドのアトリエ件別荘でしたが、移築して現在は美術館として公開されいています。
軽井沢にはレーモンドの建築物がいくつかありますが、館内を見学できたのは夏の家だけでした。
残念ながら内部は撮影禁止となっておりました。。。
外部からの写真で見てわかるように、周辺の景色がとてもよかったのですが雨戸が閉められていたため外が見られず残念でした。
ただ角にある一部屋は全開で四角い部屋の3面はほとんどが窓であったため、置かれていたソファーに座ってしまうと動けなるような空間です。
自然の中に溶け込むようなとても気持ちの良い建物でした。
名建築だらけの長野県
その他にも石の教会、千住美術館、軽井沢高原教会、聖パウロ教会などいろんな建築を見ることができました。
ただ、詰め込み過ぎ+移動距離が長くなってしまいひとつひとつをゆっくり見ることができず、、、
またあらためてゆっくり見に行きたいです。