2021年はコロナでウッドショック
第一次ウッドショックは2021年5月がアメリカ木材価格のピーク
平常時の4倍まで値上がりした。
現在では2倍程度まで下がり、落ち着いたが高値で推移している。
国内では9月がピーク。
そこから高値安定して、構造材不足は解消されたが、高値から戻らない。
今までの話は2021年の春から続いている、コロナを要因とした
第1次ウッドショックである。
ロシアへの経済制裁で合板ショック
2022年、ロシアのウクライナ侵攻での経済制裁に関係して、
ロシア材の輸入が停止された。
それにより、合板が足りなくなるのが目に見えている。
ロシア合板ショックとも言える問題を引き起こそうとしています。
合板は見えないところで使う下地材で、
建築に欠かせず多く使われている。
近年、国産の針葉樹合板の利用は増えてきて過半数までとなったが、それでも輸入木材抜きでは成り立たない。
6月頃に深刻化?
合板の表面(トップ)にはロシア赤松を使うことが多い。
薄い板として輸入され、国内で合板として製造される。
強度もあり、乾燥もされた状態で輸入されていたので重宝されていたようだ。
しかし、急な消滅で、ロシア材の代用品を懸命に探しているが決め手がない。
地元中堅建材商社や、大手の木材商社の方に聞いても、
6月以降の合板入荷の見通しが立たないと危惧している。
昨年来からもともと合板不足であったが、
ロシアからの材料がこれから途絶えるために、
さらに合板の需給がタイトになるのが確実視されています。
全国へと広がる反響
大塚建材の池田社長と、私が NST新潟総合テレビの取材を受け、
2022/4/7の夕方のニュースで流れたのが、ヤフーニュースに掲載されました。
(動画もリンクが張られているので見ることができます)
それを見た、読売新聞(全国版)からの取材がありましたが、今後、記事になるようです。
同日、他のテレビ局も合板の不足の懸念をニュースで報道しているのも確認できました。
値上げは木材関連だけでない
木材関連の問題にとどまりません。
ありとあらゆる原材料が値上げをしている。
鉄やアルミ、塩化ビニールなどなど全てです。
急速に進んだ円安により為替が125円まで低下した。
それにより、輸入原料が 平常時より10%位値上がりしている。
これから多くの影響を与えてくるだろう。
半導体ショックで住宅設備が手に入らない
アフターコロナでの需要増加なのに
世界の供給量が追い付かない。
世界の工場と化したアジアでの コロナ収束が見えていない。
去年から「半導体ショック」で、車や家電類の
納品が遅延しているのが、正常化していません。
ベトナムから始まり、中国では今もロックダウンしているが
これからさらにどのような影響があるのだろうか?
半導体ショックは、住宅設備類でも幅広く
半導体を使う物に品不足が生じている。
特に深刻なのが給湯機
ガス給湯器・エコキュート。
発注してから納品まで5ヶ月程度かかっている!
工期の短いローコストは、3カ月もあれば工事が終わる。
着工の時に発注しても 完成の際には確実に間に合わない。
これには 我々も頭を痛めていて、
引渡の際にエコキュートが無く、引き渡せなくなりそうなケースが生じた。
メルカリでプロパンガス用の給湯器をなんとが見つけ、
プロパンボンベで仮設で取付け、なんとか住んでいただいた方もいる。
その他、
衣類乾燥機・食器洗い・ウォシュレットが
納期が遅延しているか、メーカー・品番によっては欠品している状態です。
今後なくなる可能性があるのは、
ソーラー発電や、インターホン、IHクッキングヒーターなどとの声もある。
何がいきなりなくなってしまうか、
怯えながら慎重に工事を進めていくしかありません。
1年で20%建築費が値上がりしている
平たく言えば1年前から、
2割位建物価格が値上がりしているのが平均的な感覚です。
3000万円で計画していたのが、3600万円の見積もりになる。
これは、企業規模の大小にかかわらず、影響のない住宅会社はないだろう。
すると 計画自体の見直しをする人も出ていることだろう。
より多く借り入れを起こすか、建物の大きさやグレードを調整するか。
家を建てようとしている個人レベルでやれることはこれくらいしかありません。
弱くなってしまった日本
さらには、大工さんを筆頭に、
左官屋さん、造園屋さん、解体屋さんなど
様々な職人さん不足がすでに起こっている。
それが今後とも深刻になっていく。
人がいなくなれば、手間賃が上がるか
工事ができないかという問題が起こる。
色々困難な話しをしましたが、全てのことは、突き詰めて言えば、
世界経済は成長しているのに、
相対的に弱くなった日本の対比で生じている。
構造的な問題です。
短期的には収まらずこの状態が
長期化していくものだと覚悟しております。