設計：山田　剛／監督：山田　剛・刈谷　裕樹

コンセプト

交通量の多い道路からよく見える敷地。道路側は閉鎖的にすることで家族のプライバシーを守り、守られた空間内は最大限開放してのびやかな生活空間を確保する計画とした。

外観

西側ファサードは、プライバシーに配慮して開口部を絞った計画とした。
２階には大窓を設けて木枠をまわすことで、象徴的なデザインとするとともに日射遮蔽の装置を組み込んでいる。仕上げは杉板の赤身材を選択。製材屋さんで丁寧に選んだ材を使用することで、色むらのない優しい木の風合いを感じられる。
庭に面した南側は最大限開口部を設け、黒く着色した板材で一体的にまとめた。玄関周りには、ご主人のご実家から運んできた大谷石を使用。屋根に降る雨は、鎖樋を通じて水の流れる様を美しく魅せてくれる。

内観

南側の庭に面した主室は、大変に開放的な空間となっている。
巾３間、床から天井までの大開口は、縁側を通じて庭と一体化し開放的な主室を演出している。窓には６枚の障子が設置され、障子を閉めれば柔らかで落ち着いた光が満ちる。ダイニングの上部は階段とセットの大きな吹抜を計画し、立体的な空間の変化を楽しみつつ採光と日射取得を最大化した。吹抜に面する２階ホールには共有のデスクスペースを設け、リモートワークに対応できる気持ちのよいスペースとなっている。
北側に配された畳スペースは、主室と対照的にほの暗い落ち着いたスペースとした。家事室の役割も併せ持つこのスペースは、多目的で多用途に使えるよう計画されている。
濃茶色でまとめた寝室は、静かで安らかな休息をもたらすだろう。

規模・構造

敷地面積：315坪
延床面積：35.74坪
木造在来工法　2階建

性能

耐震等級 2以上
Q値：0.98[W/㎡K]　
Ua値：0.37[W/㎡K]　
暖房負荷：15.3[kWh/㎡]
冷房負荷：11.3[kWh/㎡]
空調計画：２階壁掛けエアコン冷房＋床下エアコン暖房

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