Penetrate into the sky「浦山の家B」
設計:山田 剛/監督:小林 秀昭
- コンセプト
- 道路幅が限定された、街中のコンパクトな敷地。
北側は道路に面し、南側は隣家がせまっています。
制約のある周辺条件の中で、十分な南陽を取り込み、開放感のある気持ち良い住まいとなるよう計画しました。
大きなハイサイドライトから取得した陽の光は、家を貫いて北側まで届きます。
敷地の入り口からそのまま空へとつながっていく住宅です。
- 外観
- 北側ファサードは、道路向こうの借景、海からの風、空へのつながりをつくるために大きな開口部を設けています。
2階デッキは、通行量の少ない道路に面しているため、開放的なつくりとしました。
正面から見ると高さをおさえた落ち着いた形状ですが、横から見るとこの住宅のコンセプトが外観からうかがい知ることができます。
南側に上がっていく北屋根は、上部の高さを利用してハイサイドライトを設置。
その分低く抑えた南屋根は太陽工発電パネルを設置し、屋根に内部からアクセスできることでメンテナンス性にも配慮しています。
2階はウッドロングエコ塗装の杉板仕上げ、1階はそとん壁で仕上げています。
付加断熱の厚みを調整することで、1・2階の厚みに差をつけ外壁素材の切り替えを美しくみせるとともに、2階の厚みが1階部分の小庇となるよう計画しています。
- 内観
- 2階主室は、ハイサイドライトを取り込んだ勾配天井の開放的な空間です。
ハイサイドライトによって、南側隣家の上をかわして十分な光を得ることができます。
勾配天井の高い部分にはロフトを設置し、エアコンスペースとしつつ、ハイサイドの窓から屋根にでることができます。夏季は屋根にでて、すだれなど日射遮蔽装置を設置することができます。
北側にも大きな開口を設け、開放的な空間を演出しつつ、隣家の借景を楽しむことができます。
2階で得た光は、建物中央の階段室から1階へと降り注ぎ、ドラマチックな玄関ホールを演出します。
将来2世帯同居も見据えた計画。
浴室など水回りは1階に配置し、1階に大きな畳のお部屋とフリースペースを備えています。
家族状況の変化に伴い、フレキシブルに空間を利用できるよう設計しました。
- 規模・構造
- 敷地面積:59.78坪
延床面積:36.00坪
木造在来工法 2階建
- 性能
- 耐震等級2以上
Q値:0.83[W/㎡K]
Ua値:0.28[W/㎡K]
暖房負荷:14.8[kWh/㎡]
冷房負荷:12.2[kWh/㎡]
空調計画:床下エアコン暖房+ロフトエアコン冷房方式