強度もコストダウンも両立する基礎
「中権寺の家」の基礎が完成しました。
内部に立ち上がりのない、実にすっきりとした基礎。
基礎の立ち上がりを極力なくすことによって、
・施工難易度を下げて精度の高い基礎をつくることができる
・床下の配管やメンテナンスなどが楽に行える
・床下エアコンの暖気がスムーズにいきわたる
・シンプルな形状となりコストダウンを図れる
・複雑な形状と比べ構造的な力の伝わり方がシンプルになる=強度的に有利
上記のようなメリットを見込むことができます。
こんな基礎でどう住宅が成立するの、柱はどうなるの、
と思う方もいるかもしれません。
このような工法は実は100年以上前にすでに提唱されていました。
木造ドミノ住宅
構造的要素を最小限とし、生活のための壁や設備などは自由に計画することができる。
これは1914年に建築界の巨匠ル・コルビジェが提唱した「ドミノシステム」という考え方です。
構造に左右されずに自由な空間をつくることができ、
なおかつ将来にわたる可変性が高い持続可能な計画。
スケルトンインフィルとよばれる構造形態です。
これを木造に応用したのが「木造ドミノ」です。
詳しくは相羽建設様のホームページがとても分かりやすいです。
昔ながらの日本家屋にも通じるところがあります。
建物の構造がシンプルだと、それを支える基礎の構造もシンプルになります。
利点だらけのこの工法ですが、住宅の規模が大きくなったり、
要求される計画内容次第ではこの工法をそのまま使えない場合があります。
そのため「木造ドミノ」の考え方をベースにおきながら、
構造計算をして、極力シンプルで強固でコスト優位性にすぐれ設計内容も豊かな住宅となるよう
設計を練っています。