新発田の家 (設計:堀部事務所)
House in Shibata 2019
設計:堀部安嗣建築設計事務所
施工:オーガニックスタジオ新潟 担当監督:小林
外構計画: デザインルーム・アマノ
- 堀部事務所の概要説明
- 新潟県新発田市の郊外に建つ住宅。周辺は古い蔵や民家や倉庫などが点在するのどかで素朴な場所で、隣には伸び伸びとした牛舎が佇んでいる。こういう環境においては“住宅然”とした建物は相応しくない。外観は倉庫か納屋のような佇まいにして、代わりに内部においてはあたたかくヒューマンな雰囲気にすることを心がけた。
二世帯五人が住むこと、将来的に店舗にできるスペースをあらかじめつくっておくこと、数台を駐車できるスペースと屋根付きの車庫を設けること、そして平屋であることなどが建主からの要望だった。
冬は寒く厳しい気候になることや、道路や店舗からの人の視線を遮るととなどから、建物をH字形にしてプライバシーを確保しつつ、自分の家から自分の家の中での人の営為が見えて、人の気配が窓の外に感じられるあたたかい雰囲気になるようなプランとなった。
- 相模の解説
- 堀部安嗣氏は、日本建築学会賞作品賞(2016年)受賞の建築家。
処女作の「南の家」でも、すでに建築の仙人のような達観した渋い作風と、完成度に驚かされたものだ。
堀部さんの作品には、一貫した「堀部さんらしさ」はしっかり存在するが、一つ一つの作品のたびに、新たなチャレンジが加わって進化していく。こうした建築家としての姿勢を見ることができて、我々の中でもファンの多い存在である。
幸いなことに、お客様ともご縁もあり、ご指名で工事の施工を行った。
空からこの建物を眺めると、英語のHのような平屋になる。
一方の棟はLDKの共有スペース。もう一つの棟には、寝室や脱衣所など6つもの細切れの区画が集まっている。冬も夏も穏やかな室内空間を実現するための、空調計画の難度は高いが、我々の考案した造作のチャンバーが採用され、ダクトエアコン1台で極めて温度差の少ない全館暖房が実現できている。
この建物は外構計画が大変重要になる。デザインルームアマノの天野一博氏によるランドスケープが完成し、竣工して5年の月日が流れ熟成し、ようやくホームページに紹介する運びになりました。
オーナーも、ヨーロッパのアンティーク家具を扱うこともあり、室内のインテリアはプロフェッショナルである。設計者、施工者、ランドスケープデザイナー、家具ショップオーナー、この4者の価値観が揃い、結果として素晴らしい住宅になったと考えます。
- 面積情報
- 敷地面積:994.96㎡
建築面積:273.21㎡
延床面積:233.37㎡