1. 無暖房で13℃なら大丈夫か?
ある方がFacebookで
「自分のアパートは暖房しなくても
13度までしか下がらないから まだ大丈夫。」
このように投稿していた。
集合住宅の中住戸の場合、
上下左右の住まいで暖房がされていれば、
その熱によって戸建て住宅と比べ物にならないほど、
暖房エネルギーが少なくて済む。
なので、無暖房にチャレンジしているのだと思われます。
昭和の時代の寒い家は、室内は13度位でも、
どてらを着て、こたつに入って過ごしていたことを思えば、
なんともないと思ってるでしょう。
かなりの節約家であるのか、
快適でないことをあえて実践して楽しんでいるのか分かりませんが、
私にはマネはできないですね。
というのも、健康によくないからです。
2. がん予防と室温|星名誉教授が語る低体温の危険性
ちょうどその頃、Facebookで
健康住宅の研究で有名な東京都立大学 星名誉教授が、
投稿していた一説を紹介します。
「がんの特性をご覧ください。
早期発見は二次予防で、癌の本質的予防は、一次予防です。
つまり、日々のくらしでがんを予防すべきです。
・がんは低体温が大好きだからです。
がん細胞の増殖には、低い体温の方が望ましく、高体温だと増殖しにくい。
あまり知られていない事実ですが。」
とのこと。
3.イギリス保健局が示す基準|室温18℃以下の健康リスク
よく、高断熱住宅の知識で、イギリス保健局の指標が用いられます。
*イギリス保健局は冬の室内温度について、全室18℃が最低推奨温度となりました。
世界保健機構(WHO)も同じく18℃を最低推奨温度と設定しています。
これは健康リスクを低減させるための基準であり、
18°Cを下回る室温では、疾患のリスクが高まるとされています。
イギリスでは、この基準を満たさない賃貸住宅に対しては、改修・閉鎖・解体命令などが下される可能性があります。
5. 冬の健康管理|正しい室温の重要性
冬の室内温度が低いと、以下のような具体的な健康リスクがあります:
18°C未満の場合:
血圧上昇のリスク
循環器系疾患のリスク増加
16°C未満の場合:
呼吸器系疾患に対する抵抗力の低下
5°C未満の場合:
低体温症を起こす危険性が高まる
さらに、低室温は以下のような影響をもたらす可能性があります:
*血管の萎縮による血流の悪化
*内臓機能の低下
*免疫力の低下
*風邪などの感染症にかかりやすくなる
*高齢者の起床時血圧上昇
*関節痛の悪化
*ヒートショックのリスク
*かくれ脱水のリスク
これらの健康リスクは、特に高齢者や基礎疾患のある人にとって深刻な
問題となる可能性があります。そして時に死を早めます。
6. 過去と現在の生活環境|寿命を伸ばした暖房の進化
戦後の日本人はどんどんと長寿になってきております。
1955年(昭和30年)の平均寿命は、男性63.60歳、女性67.75歳でした。
1946年連載開始のサザエさんでは、波平の年齢設定が54歳であり、
当時では55歳が定年で、波平はもうすぐ老人とされていた。
戦後から現代に至る平均寿命の伸びは、医療技術の進歩、生活環境の改善、栄養状態の向上など、様々な要因が影響していると考えられますが、「暖房をするようになった」ことで健康ランクが上がったことも大きな要因でしょう。
7.快適な室温を維持するコツ|理想の居室温度22℃のすすめ
現代は、幸いに少ない暖房エネで快適に室温を維持できる住宅が建てられるようになってきた。
良質な住宅を手に入れて、居室の推奨温度は22℃ほどでお過ごしください。
でも、暖かくできるからと、真冬でも25度程度の室温で暮らそうとする方が、
私どものオーナーさんでも 10人に一人はいるように思われます。
それ、やはり暖房エネを食うし、外に出る際のヒートショックが心配です。
やり過ぎですから、程よくでお願いします。