OWNERS COLUMN & INTERVIEW

オーナーズコラム&インタビュー

vol.5 古いものを取り入れる

めぐみめぐみ

  お久しぶりです。めぐみです。

お花見もできず怒涛のように過ぎ去った4月を、振り返りながらコラムを書いているGW後半。

長女の中学生活がスタートし、それまでは夕方四時半には家に帰っていたのが部活により7時すぎに。塾を変えたので夜の送り迎えの日も増えました。

私も都屋の裏方から店で働き始めることとなり、子供たちの食事や就寝の時間、家事のルーティンなど、これまでとは大きく変化したため慣れるのに苦労しています。

けれど!疲れていても、仕事を終えた台所を眺めながら、片付いた部屋を眺めていると癒されます。毎日キレイにできるわけじゃありません。タイミングよく気が向いて、洗濯を片付けようかな。ちょっと流しを磨こうか。そうして、運良く夜のうちにあれこれ済んでしまうとスッキリ。やることリストが消化されずにどんどん溜まっていくことが、日々のストレスにつながるんだよなぁと。わかっていても、なかなか上手く行きませんけどね。

古いものをインテリアに取り入れる

さて、前置きが長くなりました。

家を建てる!という計画の中で、家具やインテリアにかけられる予算の相場って、どのくらいなのでしょうか。

我が家は主人より私の方が意匠的なこだわりが強かったので、当初の資金計画の中にキチンと家具の配分を予定したい!と思っていました。なかでもダイニングセットとソファは、多少高くても気に入ったものを置きたい。椅子のうち何脚かは、名作のアームチェアを使えたらいいなぁなんて、贅沢にも考えていた私。

ところが、漆喰壁と床の着色、杉板張りは譲れなかった上、設計が進んで行くとこうしたいああしたいという欲望がむくむく沸いてきます  笑。
公的な手続きにかかる費用は絞れないので、とりあえずすぐに無くてもまぁ困らないもの=家具にかける予算を、少しづつ削りながら調整しておりました。そして、これじゃあ名作チェアは諦めなきゃなるまい。
妄想ももはやこれまで( ;  ; )
そのへんまで追い詰められたとき、それなら「古いもの」を中心にセレクトしてはどうだろう。
と考え直したのです。

まずは、お店で探す

古いけれど、大切に使われてきた家具や道具は魅力的です。
新築のまあたらしい空間に古い家具があることで、よそよそしさが中和されるはず。
これから長い間家族と暮らしを共にするのだから、まずは丈夫で機能的なこと。
けれどシンプルで美しいもの。
今ある予算で新品を考えても、満足いく空間にはならないよなぁ。

家づくりの話もまだ動き出していない頃から、キッチンに置くための食器棚だけは、古い水屋箪笥にしたいなと考えていました。昔から日本の水場=水屋で使われてきた収納棚。

コツコツと集めていた大切な器をしまいながら、その美しさをいつも愛でたい。
和皿も洋皿も、新品もアンティークも受け入れてくれる懐の深さ、が水屋にしたかった理由です。

台所と土間の間取りが大体決まった段階で食器棚の配置も図面に入れてもらい、肝心の実物は、柏崎にある古道具を扱うお店、coil4 さんに探してもらうことにしました。

▲coil4さんの店内。


モノ選びの世界観がとっても素敵な店主なのです。
予算と大体の寸法をお伝えすると、ひと月くらいで思い描いていたのとピッタリのものを探してくれました。恐らく戦中、戦後のものらしく材が良いわけではないのですが、とても丁寧なつくりで、引き戸もガタつかず滑らか。
実は食器棚ではなく、学校なんかで本棚として使われていたのではとcoil4 さん。
以前、水屋箪笥は食材もしまっていたことから、人によっては匂いが気になると聞いていたので心配でしたが、かえって良かったかも。
ゆらゆらしたガラスにも傷ひとつ無く、大切に使われていたのが見てとれました。
予算もピッタリ合わせて頂き、ホクホクして帰路についたのを覚えています  笑。
そのほかにも、照明やら何やら、coil4さんには随分とお世話になったなぁ。

食器棚が決まると、おのずと土間に置きたいテーブルと椅子のイメージも見えてきました。

 

テーブルは角形のものを考えていましたが、新発田のforesightさんにお邪魔した際、デンマークのかっこいい丸テーブルに出会ってしまいました。

こちらのお店は北欧家具の古いものを綺麗にメンテナンスして仕上げてくれます。
一目惚れしたのはチーク材の1960年代のもので、真ん中から左右に引っ張って板を1枚入れると、楕円形となりサイズアップ。普段は5人家族で座れて、来客の時は拡げることができます。

完全に予算オーバーでしたが、何しろチークが美しい上に、この機能です。
すでに50年たっているのに全く古びれず、余裕であと50年行けそうな雰囲気だし、食器棚とも合う!
一緒に展示されていたアームチェアにも惹かれましたが、椅子はあきらめテーブルに予算をかけることにしました。

ここからは、ヤフオクの話。

5人家族なので、ダイニングチェアは5脚必要です。
これを、思い切ってネットオークションで購入することに。
ポイントが貯まるので、私が活用しているのはヤフオクです。
とは言え、食器くらいしか落札したことがなく、家具は初めて。
現物を見ないで買うなんて、やはり抵抗はありました。

とりあえず、友人宅でその座り心地の良さに感心した、イギリスのアーコールチェアをチェック。
形が色々ある中から好みのものを探すと、実に沢山のお店から売りに出されています。
業者の評価や、画像からみた状態もよく調べ、とりあえず1脚落札してみました。
タイミングが良かったのか、1万円台で落札。
相場からみてもなかなか安かった!

肝心な実物ですが、雰囲気もキズや汚れも、商品画像にかなり忠実な印象をうけました。
中には、これホントにアーコール?というもの、フィルターやぼかしがかかっていて実物の色や雰囲気が伝わらないもの等、怪しい出品もあります。

大切なのは
①落札者からの評価が高く、トラブルの匂いのする評価コメントが無い出品者を選ぶ。

②欲しい商品の大体の相場を調べ、決めた予算から大きく外れるならキッパリあきらめる。

③画像が詳細なもの、別角度から何枚も画像をアップしてある商品をよく確認し、必要なら質問欄を使ってどんどん質問してみる。

えらそうに並べるほど特別な情報ではありません(-。-;が、
こんなふうにして2、3ヶ月かけて椅子5脚を購入しました。
送料がかかるので注意が必要ですが、想定していた予算より随分安くあがったかな?
好きなもののテイストがはっきりしている方には、結構オススメの方法です。

これまで私が落札したあれこれ。

大好きな木彫りの置物。動物のもの。

古い食器は画像だとサイズ感がつかみにくいので注意。
検索ワードが大切で、私なら、木彫り、木製、シャビー、東欧、民藝、古伊万里‥‥
気になったもののウォッチマークをチェックしておくと、それに関連する商品が色々出てくるので面白いです。
誰も興味が無いようなものを、破格で落札した際の悦びと言ったら!

 

とは言え、家具は、最初からきっちり揃えなければいけないものじゃありません。
むしろ住みながら本当に必要なもの、空間にしっくりくるものを、少しづつ揃えるのが理にかなっているのかも。

新しくても古くても、後世大切にできるものを。

 

めぐみ

めぐみ

酒屋に嫁いで12年、新潟市親松「地酒の都屋」のヨメ。 このたび、私たち夫婦と3人のこどもたちで暮らす家が完成したばかり。日々のこと、お店のこと、お料理とお酒のマリアージュ。 地酒の都屋:http://www.niigata-miyakoya.jp/

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