室温がどんどん高くなっていく
現在の高断熱高気密の住宅では、暖房していなくても、外気温よりはだいぶ温かくなります。
設計と仕様によるけど、日射熱と生活熱で、新潟では5度から9度くらいは勝手に温度が上がります。 (これを自然内外温度差と呼ぶ)
神社みたいな昭和の家も、最新の高断熱住宅も
ともに 「暖房していないから」 暖房エネルギーはゼロである。
さすがに、暖房付けないという人はいないだろう?
と思われるが、ところがどっこい。 いらっしゃった。
暖房していない家
ある年配の方ですが、以前は大正時代の農家の家。神社のように寒い家で、
6畳間にストーブ2つもってきて ようやく暖まるような家でした。
オガスタの家に建て替えて住みだすと、暖房しなくても室温が10度以上になった。
以前より格段に寒くない。 こたつを立てれば十分快適に過ごせる。
ということで、最初の年は、無暖房で過ごしたという。
久しぶりにこの冬、お会いしたら、さすがに少し暖房をしているという。
肌の艶や血色が家を建てる前よりかなりよくなり、若返っている。
アンチエイジングの高性能住宅は、一般人が思っているより、
非常に効き目があるのだと感じました。
医療関係者は寒がり??
その逆で、超暖かくしてらっしゃるケースを紹介します。
皆さんなじみの建物で、冬に最も室温の高くしているのは、病院である。
医師にナースも薄着で、活動的に動く。
寝たきりの入院患者も、薄いパジャマ姿にタオルケット程度で寒くないようにしないとならない。 だから25度から26度の間で保っているようだ。
つまりは オールシーズン 常春。 これが体に一番負担が無い環境なのだろう。
先般あるお客様から、「脱衣所が寒い」との声が寄せられた。
訪問すると、室温は22~23度程度あり、十分暖かい。
脱衣所は床下暖房のあるリビングと距離があるから、比べて1度程度ひくいレベル。
普通の人間には寒いと感じない。
床にガラリを切るなど対応して、満足するようになったのだが、
この家族の暖房温度の要求は、歴代トップクラスであった。
なんでかな~~??と思ったが、ご夫婦ともに医師で、勤務先がポカポカな環境だ。
そこからの比較で、室内も23度くらいにしておかないと寒いと感じるようです。
なるほど!
医師に限らず、介護職や医学療法士など病院勤務の方の場合、
設定温度高めに過ごせるように 検討するのが親切かなと感じました。
建築のルールとしては 室温は20度
というのは、温熱の世界では、
暖房負荷を計算する際には、室温を20度で計算するのがルールです。
現実では、それよりも室温を高くする人が多く、それも地域差があります。
リビングの設定温度が 都道府県で一番高いのは北海道といわれてます。
22度くらいにするのが平均。 (一番低いのが長野県で18度ほどだという)
住宅が高断熱化すると、光熱費のハードルが低くなり、
リビングが温度が上がってくるんだろう。
そういう話をしていたら、設計の阿部くん。
「俺んちなんて、妻が寒がりなんで、24度くらいにしてますよ。」
彼んちの暖房は薪ストーブです。
輻射熱もあるからポカポカで、 床下暖房が無くとも床も冷たくない。
阿部「これに慣れると たまんないですね。」
ほぼ病院並である。
リビングダイニングは活動量が低いのでこれくらいが 慣れれると快適なのだろう。
そうなってくると、寒い家にいた時には感じなかった、微妙な冷輻射や
わずかな気流、温度変化に対しても、敏感になる。
人間はつくづく贅沢な生き物だな。
膨張する要求に耐えられるように、 建物躯体は先手を打って、
ワンランク 高性能にしておくのは賢明で、
財力が許すなら やっておいたほうがよいだろう。
次回は この流れで 室温とエネルギーについて考察します。
追伸:
こうした趣旨のお話を、ある看護師の方にお話ししたら、
私の病院は寒いという。築年数がそれなりに経ていて 特に窓辺が寒いという。
そういえば、私の良くいく病院は、樹脂窓のドレーキップがはまっている。
病院といっても 温熱の状況は違うようです。
よくかんがえれば そりゃそうだ。