2階リビングにするメリット
歴代の物件で2階リビングを調べて見ると・・・
東中島の家
山木戸の家
松浜の家
赤塚の家B
漆山の家C
保内の家B
亀貝の家B
2017年11月付で、最新のものでは「笹口の家」も2階リビングです
まあまあの比率ですね。
それぞれ2階リビングにした方がいいよという明確な理由・メリットがあったからそのようになったわけですが、今回はそれをまとめてみました。
① 日当たりが良い。
地価の高いところの建築地は大きさも小さい。 さらに南側道路でない場合は60坪あっても1階には冬に日射が望めないことが多い。
2階リビングであれば日射を容易に手に入れることができる。
これが最大のメリットになります。
いわゆる「逆転プラン」になれば、1階は寝室や子供部屋などの夜間の利用が多いプライベートの空間になる。日当たりが悪いのは関係なくなるし、夏には涼しく就寝時のAC冷房依存を減らすことができます。
特に都市部の住宅となると土地の狭さが顕著。2階リビングの手法が大前提になってくる。
i+i 設計事務所の代表者 飯塚さんの著書「間取りの方程式」は、このような都市型住宅の設計におけるバイブルになります。
小さな土地で建てようという方には 強烈おすすめ。
② 眺望が良い
がんばれば1階リビングでもいける土地であっても、眺望(目線の広がり)を得るために2階リビングという手もあるわけです。亀貝の家Bというのは道路向かいの公園への広がりを手に入れたくて2階リビングにした。
2階リビングだと道路からの視線を排除することができるので落ち着きも出てきます。
山木戸の家の場合は角地で日射は問題はなかったが、視線排除の理由が大きいといえます。
③ 耐震性が高い
たまに耐震性について質問があります。
「オーガニックスタジオ新潟では 耐震等級で3は取れますか?」
「2は簡単に取れますけど、3を取れるかどうかはプランによります。」
と返答します。
耐震性が高くするには1階の壁の量を増やす必要があります。
この表で見るように、2階の壁に比べて1階は2倍必要になります。
20年前の間取りは2階より1階が壁が多かった。しかし、断熱性がよくなって「オープンプラン」が当たり前になって、LDKのある階の壁の量が少なくなってきた。
逆転プランは1階に寝室・子供部屋などの個室がくるので間仕切り壁が多く取れる。
その点で都合がよいということになります。
ただし、「耐震性が高いから2階リビングにしてください。」という理由でそうした人は誰一人としていませんけどね。
④ 傾斜天井が容易にできる
傾斜天井は、単なる吹き抜けとは違った空間の変化があって魅力的です。
2階の上は屋根裏空間しかないわけで、空間に取り込みやすいわけです。
ただし、傾斜天井にする場合は、断熱をちゃんとしようとするならばあんがいと大変です。
屋根断熱か垂木間充填とすべきです。 断熱材の厚みをしっかり取りたいなら後者で、オガスタの場合も垂木間充填断熱を基本とします。
激安建売で小屋裏収納が付くケースが多いけれど、施工がどうなっているのか気になるところではあります。
まぁ とんでもないことが起こっていると思いますよ。。。。
⑤ 1階を店舗や親のスペースへと使うことができる。
これはとってつけたメリットで言うまでもないですね。
1階を お店や親のスペースに譲った結果、2階にリビングが追いやられたということです。赤塚Bが代表例です。
2階リビングのデメリット
デメリットの筆頭は 2階に上がるのがめんどくさいってことでしょう。
「高齢になったらどうするんだ?」という理由を言う方もいらっしゃる。
でもね。2階へ上れないようになったら施設ですよ。
日当りの悪いまっ暗けなリビングで老後まで我慢をして過ごすよりも、健康的だと思いますけど。
注文住宅なんだから、階段もゆったりな設計にすれば なおのこといいと思います。
それと床下暖房をやりたいのだけれど、ってところで一工夫が必要です。
諸般の事情で2階リビングの場合は、普通に壁掛けエアコン暖房にしているケースが多かった。
でも その気になれば2階の床が一番温かい家ってのもできます。
あぁ・・・
ちょっと ボリュームが多すぎてきたので 別の機会があればまた取り上げます。