軒ゼロ住宅のリスク①・・・雨漏りリスクが5倍
日経ホームビルダーの2016年12月号のタイトルは、
「それでもやる? 軒ゼロ住宅」です。
これが さすが技術の日経HBと納得の内容だったのでご紹介したいと思います。
日本住宅保証検査機構(JIO)が雨漏り事故の調査結果をまとめると、
軒が無い場所で、トラブル発生確率が5倍になっていたことが判明した。
リスク5倍と言ってもわかりにくいでしょうから、例えるなら、
後部座席に乗っていて、シートベルトつける人と
つけない人の死ぬリスクの差と同じだとのこと。
特に片流れ屋根で軒を無くした家が、突出して事故が多く、
棟の部分の漏水が目立つ。
JIO常務の西山氏の証言
「大都市圏で軒無しデザインの住宅ばかりを分譲し、その半数以上で雨漏りを連続して発生したケースがあった。雨漏りを大量に起こした住宅屋はその後、ほぼ例外なく倒産している。」
軒ゼロデザイン住宅ばかりを施工してもほとんど事故を起こさない会社も存在する。
こうしたところは、社内の設計ルールの運用を確立し、運用しているのだろう。
しかし、旧来の住宅は軒を出していたので、壁の雨が当たることも減るのだが、
軒を省くと壁全体が雨にあたることが増え、窓周りからの漏水リスクも増す。
防水を建材の防水性能に依存すると、10年以上の長期スパンで考えると、
施工上の細かい瑕疵や、経年変化の収縮などで、雨漏りリスクは避けられない。
設計段階で雨仕舞を考慮し、軒の寸法を確保するのが本来の姿だ。
松尾和也さんのコメント。FBより:
「軒ゼロ住宅は若手建築家ほど・・・都会に行くほど多くなります。きちんと雨漏対策、劣化対策がなされていれば問題ありませんが、私が知る限り、軒ゼロをやっているところで、防水、劣化対策の両面がきちんとできている住宅会社はほぼゼロに近いと思われます。」
としたうえで、