オガスタ新潟の考えるエコハウスとは?
建築専門の出版社 エクスナレッジが発行する 建築知識ビルダーズが主催した同コンテストに89件の応募があり、オーガニックスタジオ新潟からは「金衛町の家」で応募を行い、上位4作品に贈られる「優秀賞」をいただきました。
そうです。
オーガニックスタジオ新潟のつくる家は「エコハウス」です。
エコハウスのエコは、エコロジーのエコ。
つまりは「なるべく環境に負担をかけない住宅」を指します。
単なる省エネルギーだけにと留まらず、ロングライフで愛され住み続けられることもエコハウスの条件だと、我々は考えます。
(環境省のHP)では、エコハウスの条件を4つ掲げています。
これを手がかりに、オーガニックスタジオ新潟が「日本エコハウス大賞 優秀賞」を受賞した「金衛町の家」のどこがエコハウスなのか確認してみたいと思います。
① 環境基本性能の確保
1)断熱 2)気密 3)日射遮蔽 4)日射導入 5)蓄熱 6)通風 7)換気 8)自然素材といったことが十分に理解され、実践されていることが基本になります。
暖房エネルギーを削減するのがエコハウスの役目です。
そこで①②断熱気密は言うまでもなく最重要な条件です。
どれだけ減らせたかは「暖房負荷」で分かります。
モデルハウス=43kwh/㎡ Q1.3
(34坪の空間が1台のACで一冬4万円で暖房できる)
金衛町の家 =33kwh/㎡ Q1.0
モデルハウス比で-23%削減できました。
③④太陽のエネルギーを上手に取り入れることが、高性能になるほど影響力を増してきます。南面の開口部を大きくし、軒を設けることで日射遮蔽をしています。
軒無しで日射取得を極大化させる手法もありますが、外付けブラインドなどが必要となりコストUPの経済性分析が必要になることでしょう。
⑤南側に蓄熱部位となる土間を設け、室温が安定する工夫があります。
東大前教授から、蓄熱効果の定量的な分析はされたのかと問われましたが、そこまでできていません。(笑)
⑥一般的には、当てにならない通風を過信してはならないとされています。
しかし、金衛町という海から400mという立地なので、夏には海陸風が安定しているために、南北と上部への通風が効いているようです。
⑦夏・冬とで湿度を快適ゾーンへと調整させたいならば、全熱交換型の換気扇は欠かせません。
⑧天井・床を無垢の木材、壁は塗り壁。自然素材を多用した空間は、湿度の急な変化を緩和させる働きがあります。
② 自然・再生可能エネルギー活用
必要なエネルギーは自然エネルギーを最大限利用し、なるべく化石燃料に頼らない生活ができることがエコハウスに求められます。
金衛町の家の屋根には、6.4kwの太陽光パネルを搭載し、創られるエネルギーが家全体で消費されるエネルギーをまかなうことができる、「ゼロエネルギー住宅」として、国の認定を受けております。
家計の収支においては、年間の電気と(調理だけの)ガス料金の合計よりも、売電収入が5万6千円多いという結果でした。
今後の住宅においては、木質バイオマスエネルギーや、太陽熱利用などにも取り組んでいきたいと考えております。
③ エコライフスタイルと住まい方
荒れて使われていなかった純日本庭園をリメイクし、土間のリビングとつなげ、
広い芝庭での外のくらしが楽しめるようになりました。
④ 地域らしさ
地域の気候風土、文化に根ざした、地域らしい住宅であることが大切です。
金衛町の家は古くから富裕層の集まってきた地区で、街並みに落ち着きもあります。
また北側道路の敷地ということもあり、道路方向に低い軒を張り巡らせ街並みに調和させています。そのことで、新潟の地域住宅のDNAを継承した100年経っても古びれない落ち着きのあるデザインとなったと考えています。
また、海からほど近い立地に合わせ、塩害も考慮し杉板を外壁で利用しております。100年経っても杉板は廃盤にはならず、張替が可能です。
性能のためのデザインの追求という流れもあるが、
地域らしさ・その場らしさの観点が無ければ、一過性の「エゴハウス」ではないか?
全局的な視点で我々はやっていきたいよね。
ということをスタッフと確認しました。