美しい名作ペンダント照明のあれこれ
照明計画。 これは非常に大事ですね。
全体計画では「照明器具を付けましたよ」という意図があまりないように、さらっと空間を照らしてくれる、存在感を消すことを心がけるのがコツですね。
だから、天井の真ん中に、丸いシーリングライトつけて終わりというのは NGで、あれをやったらおしまいです。
ダイニングの照明はペンダントがお勧め
ただし、ダイニングは別だと思う。
ここは家族が飯を食うために集う場所だから、自然と人が集まるようにシンボリックな存在であっていい。ダイニングはテーブル面があって 人はそこの下を歩かないから、ペンダントで光源を下げてもじゃまではないし食事を明るく見せられる。
「人が集まる雰囲気で、食事をおいしく見せることができる」
そのため 基本的にダイニングはペンダント照明がいいと考えます。
そうなってくると 室内空間の性格付けとして、ペンダントライトを何を選ぶかということは大いに重要です。センスが問われる場所なんですね。
「金衛町の家」は、ダイニングが傾斜天井になってダイナミックであるから、なおのことペンダントは悩ましかった。 まずは、山下氏と私とで、その場にふさわしい照明器具のリストを提示した。
山下氏は、ジャスパーモリソン、デザインのシンプルなガラスの球体のものを選んだ。
一番大きいものでφ450。激シンプルです。
私はよくばりに3つ提案。
ヤコブソンランプのF-108をまずは推奨。これは小新モデルハウスのものより一つ大きなサイズで、φ540でちょうどよくデカい。
羽目板の傾斜天井に合う木製ランプの定番。 ちょっとひねりが足りないかな?
そしてルイスポールセンのエニグマ425。
内藤廣氏の建築で使われているのを見て、大吹き抜け空間でいつか使ってみたい一品。
H750のφ422でちょうどいい。
しかしながら値段も高いし、LED化した時の状況が分からないところがやや難。
そして最後に伊東豊雄デザインの、マユハナを候補にしました。
存在感がありつつ、空間を邪魔しない、美しいあいまいな光のグラデーション。
雲から漏れる月明かりを抽象化したようにも感じられて、日本人的な情緒がある。
特に伊東氏のファンでもなんでもないけれど、さすが世界のプリッカー賞受賞の建築家。
大きさも マユハナⅠはφ500 マユハナⅡはφ430とちょうどよくデカい。
二人とも自分がいつかは付けてみたい器具を選んだというのが実情か?
お客さまもアメリカ製のバブルランプを選ばれてきた。これはこれでちょうどいい存在感でスタンダードさを感じる。良いなぁと思いました。
(バブルランプは、事務所で使ってまして、実物を見ることができます)