主張しない照明計画
照明は暗闇を照らすことで、空間を可視化させてくれる機能であって、理想からすれば器具自体は極力目立たず、機能的に「場」を明るくしてくれればよいと考えます。照明計画を練るということは、照明器具のデザインにこだわることとは180度違う方向性であって、プロトタイプモデルハウス(内野の家A)では、極力主張しないデザインのものを選びました。
ローコスト化と合理性な モーガルソケットにボール球
同じ目的が達成できるならば、費用は安いほうがよい。
一般的な住宅での照明器具の費用は、経験上坪当たり9千円くらいが平均像であって、例えば31坪程度の家なら定価ベースで30万円くらいなものであろうが、その1/3程度の費用しかかけていない。
その大きな理由が大半の照明器具が小型モーガルソケットというガイシに各種ボール球を組み合わせたことによります。このモーガルソケットは、敬愛する建築家の堀部安嗣 氏が使っていたのを見て、いつかモーガルソケットでほとんど成り立つような計画にしてみたいと思っていたのです。
ガイシは1つでわずか200円程度。
電気屋に言わせれば取り付け施工は面倒らしいので、手間を少し上げてでも器具はただ同然に安い。そこに各種電球をつけるわけである。電球もLEDのボール球が値段がこなれてきて迷うことなく使える状態になった。
家中同じボールの形がくり返されるのでリズムが生まれ、空間としても面白みが出る。おまけにLED電球となり高寿命となった。寿命も4万時間というから、1日4時間つけても27年もつという。50歳で電球交換すれば ほぼ一生もの。。。。
球はむき出し、ガイシも白で、点灯していないときは壁に溶け込んで、インテリアを邪魔しない。かなりオーガニックスタジオとしては、理想的な照明器具と考えます。
設計事務所系では 当たり前の技法ですが オーガニックスタジオ新潟でも 標準照明として今後も多用します。
間接照明
また、せっかく新建材に依存しないで、大工のつくる家。 家具も作り付けで作るので、照明器具も建物の一部に組みこんで、間接照明で遊んでみるのもよくやることです。
造作のダイニングテーブルに仕込んだ照明は 光の広がりがいい雰囲気です。
間接照明で天井全体を美しく明るくします。
照明計画は、器具の高い安いではなく、計画そのもののが問われるということですね。
NGとしては、天井の真ん中に、丸いシーリングライトをつけて終わりという安直な計画。部屋全体をまんべんなく明るくすることで、のんべんだらりの魅力のない空間になります。