◎ 金曜日は資金計画
この原稿は 2007年に書いていた原稿の蔵出しです。
この頃はまっていた東洋思想の中の「五行 」をもとに、さまざまな建築計画は五行のバランスが大事であるとの説を独自に考えてました。
五行のエレメントには5つ
木= 構造・植栽・間取りの計画
火= 断熱暖房の計画
土= 土地・地盤
水= 水回り・設備計画
金= 資金計画
ということで 住宅計画における金とはまさに、「資金計画です」
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住宅の良し悪しや、空間の質を数字に表せることは不可能です。
しかし、お金は簡単に計算できます。さらに、情報も簡単に入手できます。だから、住宅計画の中で、最も簡単なのは資金計画です。
お金で建築の内容が制限されます。
山ほどやりたいことがあっても、資金の範囲でしかかなえられません。だから、まず自分にとって適正な支出がどこまでなのか決めることが最初にすべきことです。
具体的にどの程度の借り入れが健全なのかは、
返済比率=年間の返済合計/年収 で表すことができます。
その度合いによって、借り入れの安全度合いを推測しますし、
融資の審査においても、返済比率に応じて借り入れの是非を判断します。
これも、借り入れ方式や金利の変動などで、お客様の思っていたことと、
実際の計算では異なることが多いものです。
実際の例A
月xxxx円なら払えるから、それで借り入れを組むと2000万円と思っていたのが、実際はもっと金利が安くなっており、21400万円の返済と同じだった。
実際の例B
あるローコスト系HMの営業マンに、初回面談時に簡易的計算して言われた、適正借入額の2000万円。でも、私が詳しく導いた、適正借入は2400万円だった。
など、思っているより建築力がある場合はよくあることです。
次に、計画において大事なこと。
それは、どれだけ安くなるかを目標としないことです。
費用をかけないことを目的にした建築計画が、夢を最大限の実現するような結果になるとも思えませんし、総合的に満足の結果になるとは思えません。
よく身の丈に合った と 表現しますが、
身の丈以上に費用をかけなさすぎるのも、バランスが悪いと思われます。
だいたいにおいて、なんだか旅行や趣味にお金を多くかけたいがための
「キリギリス」的な価値観の方にまれにあるケースです。
結局お金をかけなければ、それなりにしかなりません。
そういう方が、いわゆる「住宅は3度建てないと満足いくものにならない。」
という結果に終わり、長い人生において結局損を見たりするのではないでしょうか?
まずは資金の適正水準を設定します。
その範囲で、どこまでの高品位な住環境を手に入れることが可能なのか、計画を進めていくことが大事です。
展示場を回り始めた初心者で、まれにプランから入る人がいるが、これも極めて危険です。
どんな人でも、夢を大きく膨らませるのは気分がよいもの。それが、はじけることは非常に惨めで、味わう必要のない挫折感で自尊心が損なわれます。
だから、まずは資金計画です。
ワンポイントアドバイス
* 本体工事価格はまるで意味がない。住めるまでの、建築総額で計画しましょう。
* 請負契約は、後の打ち合わせで内容を変更できるが、借入れ契約はハンコをつくと変更はできない。
* 最終的に建築費が多少ぶれても気にしない。なぜなら、あなたが支払うのは、建築屋へではなく、銀行に返済という形式で支払うからだ。
* つまりは、支払いで問題ない範囲であれば、気にしなくてもいい。
* 住宅ローンは借金だと思うと怖くなる。
(2017年追記) 借りたほうが得な時代
今年は10年固定金利で借りても0.85%と、借入残高の1%が還付されるローン控除よりも安いという超低金利である。事実上 マイナス金利です。
さらには、借りた人に万が一のことがあっても残った家族が困らないようになっている。(火災・死亡の保険)また、物価リスクのヘッジにもなっている。
住宅融資は、借金ではない。メリットの多い プラスな投資である。
あまり神経になっても、精神的に損ですね。