住宅ジプシー化にならぬための処方箋
業界内の一部で使われている隠語で「住宅ジプシー」という言葉があります。
ジプシーとはさすらい人。
ジプシー (gypsy, gipsy) は、一般にはヨーロッパで生活している移動型民族を指す民族名。転じて、様々な地域や団体を渡り歩く者を比喩する言葉ともなっている。」
wikipedia より
では 住宅ジプシーとはどういうことを指すのか。
それが何を意味しているか? ニュアンスですでにお分かりの通りかと思います。
ひたすらモデルハウスや内覧会、さまざまな各社を見て回っている方。
その中で、特に何をしたいのかさっぱり訳の分からない方を指します。
これって、かなり失礼な言葉ではありますが、
その方にとっても時間の浪費でありますし、無意識のうちにジプシー化してしまっているケースもあるようですので、 お客様を眺めてこの道20年の私が分類し処方箋を書かせていただきたいと思います。
① そもそも家を建てるのが目的でないジプシー
住宅というのは面白いもの。 完成内覧会というものはリアルな実例であるから、モデルハウスでは観察できない生々しい、人間性にあふれている。それを観察したいという住宅マニアという存在があってもいいと思います。
他には内覧会における近所のおばちゃんに顕著に見受けられます。
見たいから見たい。好奇心の満足というケース。
これは分かりやすい事例です。
広い意味での住宅関係者でも、勉強のために見せてくださいと希望する人もおりますが、まことに申し訳ないけど、ご遠慮いただいております。(近所のおばーちゃんも含めて)
理由は 他の健全な見学者への妨げになることと、こちらは建物をお引き渡しまで預かる責任もあるので、むやみに立ち入れるわけにはいかないからです。
ファンは愛すべきジプシー
それと その会社の住宅のファンであるから 見たいというケース。です。
例えば、オガスタのスタッフの阿部君は最初はそんな感じのジプシーだった。
会社の仲間にオガスタの存在を聞き知ってから、家を作りたいふりをして、奥さん引き連れて内覧会の常連であった。 やつはリクルーティングの隙を狙っていたようだが、私ら目線にはジプシーだなと思ってしまう。 何がしたいのかわからんからです。
処方箋: 建築好きの愛すべきジプシー。
これは最初から素直に目的を述べて、住宅を観察すべき。
その後率直な感想を述べてもらえれば励みにもなる材料ともなるというもの。
(一回こっきりの見学だからジプシーではありませんけど)
マナ男さんのケースはそんな感じで商売抜きの交流は今でも続いている。
② 何がしたいかはっきりしているけど、タイミング・条件が合わないジプシー
この方も大変ありがたいジプシーで宝だと思われます。
例えば、「絶対この会社に頼みたい」という腹が決まっているけれど、条件に合う土地が見つからない。というケースで、私どもにもポツポツいらっしゃる方。
気になる会社だからこそ、新しい建物が見たくなる。
土地探しの方への処方箋:
土地探しで問題を抱えているのであれば、探す手段を一工夫してみてはいかがかと思います。 個人レベルの執念と活動が一番よろしいのですが、特定の不動産屋さんに顧問的に調査依頼を来てみたり、探索範囲を広げてみたり。
土地は大事ですけど何年も探すようなものでもない気がします。
無いものは無い。 ある中で選ぶ。 という精神的な切り替えですね。
長期化して本当にジプシー化してももったいないように思います。
③ 判断基軸がないジプシー
「見れば見るほどわからない」というセリフを言う方もおります。
それは 自身にに判断軸がないからです。
そうさせてしまうのは住宅屋にも責任はあります。
「自社の強みは、・・・・・・・。」各社PR合戦で好きなことを言いますし、それぞれに言い分があるから、なにを信じていいかわからなくなりますからね。
(量産型住宅の営業マンに影響を受けるとジプシー化する傾向があるように思います。)
だからそこ判断軸がないと 容易にジプシー化するリスクが高まります。
判断軸はしっかりと持ちましょう。
一番痛々しい状況のジプシーは③ですよ。
それにならぬようにするにはどうすればいいのか?
まずは、心のありようだと思います。
「失敗したらどうしよう」というありようが、心に余裕を失わせ ダメダメのスパイラルに落とし込める。 「心の余裕」がある人が満足するようです。
もし周りにそういう人がいたならば、このコラムでも読んでいただけるようにお願いします!!