何をもって雑草というのか?
人間は利己的なもので、役に立つ植物でないものを雑草として忌み嫌う。
だから「住まうリテラシーの低い」 アパート脱出組の多い新興団地は
雑草よけのためにコンクリートで覆われ、砂漠化する。
ただでさえ日射遮蔽のできていないキュービックハウスは、
昼はエアコン無しでは住めない。
コンクリ砂漠になると、夏の日射熱を蓄え、ヒートアイランド団地となる。
夜も暑苦しく、エアコン依存度がオールタイムで高止まりする。
敷地に建物を配置し、駐車スペースを取り、残ったところが庭である。
大地を 何かしらの植物で地面を被覆するといい。
植物の葉は日射が当たっても質量が小さいために、熱くならない。
また、気化熱でのクーリングも若干効果がある。
そして何よりも、住む人、その前を通る人の目を潤し癒す。
高麗芝は定番で、みっちりランナーを張るから、他の雑草が根を張るゆとりを奪う。
オーガニックスタジオ新潟の事務所の場合、勝手に生えてきた雑草とされる植物も、
選別して残すことでグランドカバーの一角を担ってくれている。
イネ科の雑草類はしぶといので見つけ次第芽を摘む。放置すると大量の種をまき散らす。
カタバミ
丈の大きくなく、横に被覆する植物でかわいいのは残す。
タカバミは緑と赤の種類があり、クローバーに似て愛くるしい葉の様子で残すこととした。
なぜかくそ暑いこの時期にイチゴが実をつけた。これも勝手に生えてきた雑草であるが、どうなるのか経過観察していたものだ。 赤しそもどこから種が飛んだのか勝手に生えている。
なんでも均一で抜くのではなく、様子を見るのも面白い発見につながる。
ディコンドラ
この丸葉の植物はランナーで被覆し密度が濃く、グランドカバーとして優れている。
これは大変 GOODな植物です。勝手に生えてきました。
ディコンドラの下にあるのはタイムである。
葉が小さく丈夫で良く茂る。 小さめの庭にも用いりやすい。
小クマザサ
小クマザサは 日陰力が強く、最強のグランドカバーで、10年も経つとこいつに敵う者はいない。勝手には生えてこない。苗で植えていたのがここまで茂った。
イネ科の雑草やヨモギ類を抜いているうちに、
クローバーを主体に勝手に雑草が秩序を保ってきた。
抜いた雑草は場外に出さず、木の株元においておくと、ダンゴムシが食べてくれてあっという間に有機土壌へと還元される。 抜いた雑草はごみではありません、たい肥の原料です。
隣のサイクルロードは、姫イワダレ草で被覆されている。
こうなるとほとんど管理がいらない。
広い面積を短期間で被覆したい場合で、芝を用いないならばイワダレ草。
欲しい人はお申し出ください。 モデルに捨てるほど生えてます。
アイビーも成長が遅いが他を制圧する力が強い。
成長部分を切り、水刺しすることで簡単に増やすことができる。
事務所の前の小屋を10年かけて壁面緑化しようとしている。
これは、わが家から増やして持ってきたもの。
「雑草取りは面倒だ」とたまに耳にしますが、
びっちり被覆するように頑張って下草の選別を行いましょう。
一度植生のバランスが取れれば、それ以降の年はかなり楽になります。