工務店で家を建てる。(さまざまな工務店)
あまり家づくりを研究されていない方は、住宅は広告をしているハウスメーカー(HM)で建てるものだと思っている人が多いかもしれません。
実はHMで建てる人は少数派で、圧倒的多数が「工務店」と言われる形態の会社が住宅を建てております。
一説によると78%が工務店。HMは18%。残りの4%が設計事務所に依頼しているとされております。
大手は量産住宅だし、コスパは最悪だから、最初に見たとしても結局は契約しない人が多いというところでしょう。
さて、
一言で工務店といっても性質はそれぞれです。
①アーキテクトビルダー (AB)
設計事務所顔負けの設計力で、木造らしさを生かしたデザインで、
住宅を設計から施工までしている。という実力派工務店ということを業界内では指す。
建築の良しあしを決定させる「設計力」は、住宅屋にとっての最終的な実力であり、熱心な工務店は設計技能の研さんに熱心である。
しかし、ABの言葉自体が、一部の業界紙で使われているだけで、知名度は世間的にはゼロ。
人気の建築家の作法を徹底的にパクル(TTP)工務店も数多く生まれてきて、TTP工務店をABと言っていいのか?という議論もある。
② 健康住宅系ビルダー。
健康住宅をウリにし、化学物質を使わないということを前面に出したりする。フランチャイズに加盟している工務店では、チルチンの家や無添加住宅の加盟店が該当する。
シックハウス法の制定で換気の義務化がされたころ、健康住宅ブームになったが、化学物質でのシックハウスが納まり、根拠がなくなったことと、自然素材住宅のあたり前化により、差別化が困難になってきている。
同時に、心配性のお客を吸い寄せるのを嫌い、健康住宅の表現が下火になってはいる。
③ 温熱FC加盟店。
温熱に関わる商材や断熱工法を供与して、販売に役立ってもらうためのフランチャイズに加盟しているビルダー。代表格がソーラーサーキットで外張り工法となる。
内断熱だとFPの家が老舗である。
断熱工法のFCに入ると、営業面のサポートがあって、好業績に結びつけている工務店も多いが、工法的な縛りと高コスト化で、一定の事業規模になると独自化する傾向がある。
新住協の場合はビジネスモデルまで踏み込まない学術的な集団だからフランチャイズではありません。性質がちょっと違う。逆に、技能におぼれて営業面で未熟な会員が多く、新住協としてテコ入れすべきという声も上がっている。
(上の表のようなイメージが一番多いのかもしれません)
④ 代々工務店
先代からの大工の跳梁が地域工務店へと発展して、若い世代に引き継いだという工務店。
地域密着の家族経営が多く、事業所の数としては圧倒的に多く、小規模で、新築をコンスタンスに注文を取れないところが過半数である。
その発生形態からして、昔からの番頭がいたりしてのしがらみも強く、なかなか近代化に苦労しているところが多い。社員大工を抱えている工務店では機動力を生かし、リフォーム比率を高めているところも多い。
その一方で、経営の近代化を図り、広報・技術・設計、すべてにわたって進歩的な優秀工務店も、代々工務店の中にも存在し、非常に幅が広い。
⑤ パワービルダー
工務店でも資本の集積と人員の増大が進むと、大手ハウスメーカーのような経営形態を採り、住宅を量産化する会社が出てくる。おおむねローコスト住宅を量産するために、ローコストパワービルダーと呼ばれたりもする。
販売と提案を分かりやすくするために、住宅を「商品化」することが多い。
設計プランや仕様の標準化を進め、「坪単価」で計算すると、技能者が積算をしなくても、見積もりを出せるようになり、最短で契約できる仕組みになっている。
ローコストパワービルダーは、労務環境・人件費が安く酷使されているという(ブラック)批判もあり、これから大工や技術者が業界から不足するにあたって、継続できるのかという議論もある。
ざっくりした分類です。
他には
⑥ ゼネコンの住宅参入組
公共工事の仕事量が縮小する中で、住宅分野に参入してきたケース。
新潟県は田中角栄のおひざ元というわけなのか。 サブゼネコンが多く、
やはり中越地域はゼネコン参入組が多い。 住宅が好調で業態変更でパワービルダーへと専念しているところも多い。 親母体の知名度で安心感がある雰囲気はあるが、建築愛に乏しい傾向がある。
⑦ 脱サラ系
住宅会社や設計事務所で働いていたが、独立して始めた工務店。
技術や設計力で自信があったから勝負に出たわけであるが、
小資本でスタートすることになるので、創業当初は財政・信用面で苦労はするケースが多い。
これでだいぶ網羅できたと思います。
いろいろな分類がありますが、分類別にある程度の傾向はつかめるのではないでしょうか?
じゃぁ オーガニックスタジオ新潟はどれに該当するか?
④⑤ではないということだけははっきりしてますね。
①③⑦ということが言えます。