住まいの年間「一次エネルギー消費」ってのはなにか?

相模 稔相模 稔

住まいの年間「一次エネルギー消費」ってのはなにか?

エコハウスのゼロエネ住宅を説明するうえで、
初学者の方にはめんどうな用語が少々あるので簡単に説明します。
今回は、住まいの年間「一次エネルギー消費」ってのはなにか? についてです。

エネルギーには、1次エネルギーと2次エネルギーというのがあって、自然から採れたばかりの状態のものが1次エネルギーといい、石炭・石油・天然ガス・水力・原子力が該当します。
採れたそのままの状態の、例えば原油では車は走らないのでガソリンへと変換させます。
このように1次エネルギーを別の形に使いやすいように変換されたエネルギーのことを、「2次エネルギー」と言い、「電力」はその代表例です。

例えば中国みたいに石炭を燃やして熱を直接暖房に使うケースならば単純です。
使った分だけ1次エネルギーを消費したとすぐにわかる。

しかし、電力は様々なエネルギーからミックスされて作られた2次エネルギーです。
石炭を火力発電所で燃やして、熱タービンを回し電気を作り出す。
熱エネルギーが100であったのが、発電効率で41にまで減る。
さらに送電線を通る時に送電ロスがあり、家庭に届くときには37にまで減っている。
牛のえさにトウモロコシを10Kg与えて、牛肉が1kgしかできないようなもので、電気はエクセレントなエネルギーなわけです。

さらに電力は、原発・火力・水力、何によって発電されたのかによってそれぞれ違うので、全部まとめた一定係数で1次エネルギーに換算しておこうね。
電気使った場合でも、その背景にある1次エネルギーの使用量で比較しようねということになっています。 そうしないと省エネ効果がわからないからです。

ともかくエクセレントな電気が家庭までやってきた。

それを電気ストーブのような、100の電気で100以下の熱しか出せない方式を採用したらめちゃくちゃにもったいないことになります。

蓄熱暖房器具や電気温水器。電気式床暖房も同じエコでない器具になります。
これを業界内では「生だき」といって、やってる業者はアホ呼ばわりされます。
せめて補助暖房ていどでやめておくべき。
ガスや灯油のように1次エネルギーに近いものを直に焚いて暖房したほうがよっぽどエコということになるからです。

熱源はヒートポンプで


電気を熱源に使うならば「ヒートポンプ方式」で熱をつくらねばなりません。
大気中の熱を集める装置で、エアコン暖房とエコキュートの給湯が該当します。
ヒートポンプって不可解な装置ですが、冷蔵庫の原理と同じです。
冷蔵庫内部の熱を外に運び出すから庫内が冷えてくれます。

外気に無尽蔵に存在する熱を室内に移動すれば「暖房」で、水を温めれば「給湯」になります。

100の電力でピートポンプを動かすと、お湯なら300の熱を、暖房なら400の熱として使うことができるといいます。実際COPがどれくらいかが分からないのですが、生だきよりははるかにエコです。
発電・送電のロスを加味しても効率がいい方式です。
温暖化防止の有効手段です。

地球温暖化防止の観点では、再生可能エネルギーであるバイオマス燃料を使うという手段があります。 1次エネルギー使用量が極端に少なくなります。
薪ストーブやペレットで、暖房を行うことが現実的です。

バイオマス給湯は機種が少なく、まだマイナーな選択肢で、
太陽熱給湯機によるエネルギー削減であれば、すぐ可能な手段です。

ZEHを知るためには、ちょっとめんどくさいけど、ここまでのエネルギーの基本を押さえておく必要があります。

相模 稔
代表取締役

相模 稔

オガスタの社長。 工務店経営のほか講演活動なども行う。 アメブロ「おーがにっくな家ブログ」もよろしく。

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