世界最高水準 木製トリプルサッシの世界
断熱先進エリアのドイツには、アルゴンガスよりもさらに比重の重いクリプトンガスを充填した、U値=0.5という化け物のような性能のガラスを使った木製サッシが存在します。 木製枠も含めて全体ではU値=0.8という性能です。
なにが化け物かというと、もはやこの性能は窓を超えていて、壁に近いのです。
普通のグラスウール100mmの壁のU値=0.52
50mmの壁のU値=0.88
一昔前の50mmの断熱材の入った壁よりも断熱性が良いのです。
そのすごさは このシーズンは簡単に体感実験ができます。
まずはご自宅の サッシに手をかざしてください。冷たさを感じますよね。
次に壁に手をかざしてください。(まともな家であれば)特に何も冷輻射を感じません。
我々が標準的に使っているAPW330でU値=1.8程度という性能です。(U値は少ないほうが熱が伝わりにくい)
これでも高性能と言われているのに、熱の逃げる量の比で言えば1/2.25です。
窓を2倍以上使っても同じ断熱性といえます。
もはや 壁の性能なので、窓辺に居ても寒さを感じることはありません。
18mm中空層に クリプトンガス注入。
熱伝導の低いスペーサーを採用。
木枠を保護するために外部はアルミでカバーされている。
設計スタッフの阿部君のおうちで利用しようとしているのが、
まさにこの木製トリプルサッシです。
ある建材商社が取り扱おうと計画していまして、カタログの撮影協力ということで、特価で手に入ることになりました。
世界最高峰の性能。 ドイツの UNILAXというメーカーの製品です。
金物とか造りとかがまるでメルセデスのようなしっかり感のある木製サッシです。
断熱先進国の欧州では、高性能トリプルサッシはもはや定番。
一般住宅では樹脂トリプル。
ハイエンドの高級住宅には、このような木製トリプルが選ばれているとのこと。
このように欧州製木製トリプルサッシはサッシの最高峰であるのだが、
まるで収まりが違うから、雨漏りしないように据え付け方法を慎重にしなければなりません。
加えて、納期がえらく時間がかかります。大西洋でUボートに貨物船が沈められてしまったのか? 窓が現場に入らないのに木完しそうです。
発注は相当に余裕を見てやらねばなりません。
予断ですが、
木製トリプルサッシなどというと、どこかの大手ハウスメーカーで売りにしていますが、メーカー標準品はガラス性能が良くなく、U値=1.4の性能でしかないと聞きました。2014
住宅の燃費を定量的に確認することと同時に、サッシの性能も数値で確認することも大事なのだなということです。