床の剛性が低いと地震でねじれます

住宅設計
相模 稔相模 稔

床の剛性が低いと地震でねじれます

等級1と2とではかなり安全性が異なります。
より安全性が高いのは等級2以上になります。
なぜならば、1等級では主に壁だけ検討していればいいわけですが、
2以上になると、床や基礎や梁といった別の耐震要素のチェックをする必要があるからです。

オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 「自然素材の家」│ おーがにっくな家ブログ
(図は 「住まいの水先案内人」様より)

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特に重要なのが「床の強度です」
壁の強度を倍率で表現するのと同じように、床にも強度を倍率化できるようになっています。2等級以上になると床の強度も一定以上が要求されます。

なぜ、「床の強度が必要なのか?壁が丈夫であれば倒れないだろうよ。」
そう思われるかもしれませんが、建物というのは立体でできています。
例えるならばダンボールです。
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蓋が締まっている段ボールと、蓋が開いた段ボール。
軽く押してみて変形するのはどちらですか? 特に斜めに押したら蓋が開いているとねじれます。
床強度を高くするというのは、蓋をするようなものなんです。

 

床の構造には 主に2つの方法がある

住宅において床を構成する方法には2つあります。
強度についてあまり理解の無かった時代は 主に「根太方式」が主流でした。

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「根太方式」は、大引きや梁の上に根太という部材を転がせてから床を張ります。
床が平らでない家をリフォームして直す場合には、根太の高さを調整して水平にできるメリットがあります。

また、「xxサイクル」のような床下の空気を躯体内部に通す工法の場合は、根太方式にして対応しているようです。
(根太方式でも「転がし方式」をやめて「落とし込み」にして釘で面材を止めれば、「剛床」になります。)

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「剛床方式」では、梁の上に合板を敷いて、合板の4方向に釘で留めて一体化させます。
水平強度を意識した今の時代のスタンダード方式になります。

根太の床では水平強度が乏しいので、「火うち」という筋違のような斜めに入れる部材を加えて変形を防ごうとしています。
しかし合計でも「剛床」と比べると、強度面での数値はかなり低いものになります。

結果的には、「根太方式」では強度不足で等級2を取ることは難しい住宅になると思われます。
(検討した結果、やろうと思えば床倍率は満たすことができますが、プランニング上、細かくブロックで分けなければならぬなど相当な困難であることがわかりました。)

空気を壁に循環させる住宅は耐震性を確認しましょう

2013もしも読者さんの中で、「壁の中に空気を循環させる方式の住宅屋」で検討なさっているならば、「根太方式」の可能性が高いです。
その際には
「標準で耐震等級2を取ることができますか?」 または、
「標準の構造で長期優良住宅とすることができますか?」と尋ねてみてください。
地震に強い家を作りたかったら、この質問はとても基本的ないい質問です。

すかっと明確な答えが返ってこない場合は(特殊な対応をしないと無理であるなど)、もっとも重要な基本性能である耐震強度を犠牲にして、独自のオリジナリティとやらに固執しているということになろうかと思います。

別の表現でいうと、水平剛性の乏しい、「強い地震がくるとねじれる家にされかねない」ということです。

もしも可能であれば、せめて1度は「構造現場の見学会」も参加するといいですね。 家づくりの納得度合いが違ってくると思います。

相模 稔
代表取締役

相模 稔

オガスタの社長。 工務店経営のほか講演活動なども行う。 アメブロ「おーがにっくな家ブログ」もよろしく。

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