新潟らしい南のまど

相模 稔相模 稔

窓からもたらされる豊かさ

建物には窓がついています。 では なんのために窓はあるのだろうか?
もともと 建物空間の外には、豊かなものがいっぱいあって、
建物の中に豊かなものをとり入れるために、穴を開ける。 その穴が窓だと考えてみます。

光? 景色? 熱? それとも新鮮な空気??

外の何をとりこもうか?
その目的ごとに窓にはいろいろな機能が備わっています。

南の窓は 冬には暖房器具です

モデルハウスの南面の窓は、冬には太陽の熱を取り込むことのできる、エコハウスとしてのエンジンのような役割があります。
断熱性がよく、日射熱の取得が性能の良い窓を、最大限使うのが大原則です。
リビングには幅が一間、高さが2メートルのフレームレスのガラスFIX窓を2カ所設けました。
窓は、フレームとガラスの2つの部材によって成り立っていまして、フレームを省いているというのがポイントです。

フレームレストリプルという高性能

ガラスとフレームでは、フレームの方が数段断熱性能が劣ります。
表面温度を測定してみると3度程度ほど、フレームの方が温度が低いことがわかります。
南のFIX窓は、YKK APの APW430という樹脂窓のトリプルガラスを、
フレームは捨てて、トリプルガラスのみを建物の柱に直接固定しました。
年間購入量からの、仕切りでの割引率がいいために、枠を捨ててでも、ガラスだけスポットで買うよりも、総合的なパフォーマンスがよくYKKAPの採用となりました。


ガラスだけの窓の手法は、西方設計とのコラボの「信濃町の家」にて経験があったために、難なく施行することができました。
この窓によって、美しく景色を取り込むことができ、断熱性能も最も良い状態になった。

ただし、窓の開け閉めができないために、両脇にテラス窓を設け、風を招き入れて空気を入れ替えるため。外へ出入りするため。の機能を受け持ってもらっております。

新潟らしい障子とは

合計で3間。5.4mもの巨大な開口部には、6枚の引き込み障子が備わっています。

障子紙には、「小国和紙の雪さらし」紙を用いました。
手すき和紙は、1枚のサイズが99センチ× 65センチという菊判を利用した。
3枚を縦に使って1枚の障子戸になります。
その和紙と和紙の継手部分が中桟になっております。
天井のデザインに呼応して、縦が強調された桟の割り付けになってまして、上と下の枠が太いのは、紙のサイズ調整のために振り分けられたからです。
言い換えれば、和紙から逆算されたデザインということです。

 


この小国和紙の「雪さらし」の紙は、雪国ならではの製法で作られます。2月~3月の良く晴れた日に皮引きを終えたこうぞの白皮を雪上に並べ自然の力で白くします。
小千谷縮やかんずりなど、新潟には雪を活用した製品がありますが、この障子紙も雪によって完成された新潟的な素材であります。

洋紙は紫外線に当たると黄ばみますが、和紙は色が抜け白くなるという性質があり、繊維も長く独特の素材感がある障子となります。

相模 稔
代表取締役

相模 稔

オガスタの社長。 工務店経営のほか講演活動なども行う。 アメブロ「おーがにっくな家ブログ」もよろしく。

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