自然系断熱材 とは?
仕上がりの内装において、「自然素材を品よく使う」ことが私たちのスタイルです。
無垢フローリング、オリジナル自然塗料、手すき和紙、自然クロス、ゼオライト塗壁などさまざまなものを使ってきました。
そして、最後の領域になるのが「自然系断熱材」です。
エコロジーの観点と、住む人への健康の配慮の観点から、自然系断熱材の採用は時代の要請に合っているのですが、実際の普及が少ないのが現実です。
それは、グラスウールに比べて価格が高いことによると考えられます。
入手しやすい自然系断熱材としては、木の繊維であるセルロースファイバー(紙由来)とウッドファイバー(木由来)。そして羊毛繊維などがあります。
・国内生産の現状
また、透湿性が高いために、結露防止での防湿層を原則必要としませんが、自然系断熱材ではないために吸放湿性の効果は乏しいです。
断熱材の価格
高性能グラスウールがもっとも安く、セルロース・ウール・ポリエステルはその約2倍です。
プラスチィック系の断熱材では、ポリスチレンボードが2倍。フェノールボードが3倍となるので、石油系と同等です。
視点を変えれば、グラスウールが性能当たりにすれば 安すぎるともいえます。
自然系断熱材の課題
自然系の採用するうえでの 私たちにとっての一番のハードルが「防火認定」でした。
板外壁+自然系断熱材の普及が進まない理由
この2つは耐久性がいいが、単体では防火性能に乏しい。
そこでダイライトやモイスという耐力壁のボードが下地に使うことで、(杉板+ダイライト+セルロース+石膏ボード)という組み合わせで防火認定をクリアします。
ウッドファイバーやウールも検討しましたが、組み合わせでの認証が対応できていなくて不採用となりました。
世の中、新築の8割は窯業サイディングの「外壁です。 サイディングでの認証を取っているのは当たり前で、ほとんどの自然系の断熱材を使おうとしても楽々クリアします。
ガルバや木の板でを外壁材とする場合は、
「この組み合わせの場合だと可能かどうか?」、個別で確認したほうがよく、
各自治体の建築主事の建築基準法の解釈によってOKのケースと、ダメとされるケースがあることが分かりました。
自治体によって判断が異なるという問題
しかし、隣県の栃木や山形では不可であるという報告が寄せられてきています。
「杉板外壁+自然系断熱材」分野でトップランナーなのは、エコ住宅の神様。日本の住宅を変えた50人に選ばれた西方設計殿です。先生も我々と同じく、杉板外壁が定番です。
先生の場合は 全国から仕事の依頼があるから、つねに各自治体の担当とドンパチ戦って苦労をなさっている。
木材利用ポイント導入もするくらいで、国としては林業資源の保護と産業の育成から国産木材の利用を進める方向に本気になりました。
しかし、杉板外壁+自然系断熱材に対する自治体での対応がまちまちであるというのが、隠れた社会問題として存在します。
この問題は 建築系のメジャーのあの雑誌の記者様に関心を持っていただきまして、
「非常に面白くて重要なテーマなので記事にしたい。」と動いてくださっています。
私たちの小さな活動が、数年後に社会を少しだけ動かしそうな予感をしているわけです。
全国主事会議で協議してもらい、全国統一的な見解としてもらいたいです。
まさか、「全国的にだめですよ。」という見解にはならないでしょうけど。
それじゃぁ 時代に逆行ですから。