室内のCO2濃度と人体への影響について調べてみました。
室内の空気の質が良いか悪いかの判断の基準として、CO2濃度を一般的には用います。 空気が汚れていれば濃度が上がるので、換気をして外の空気と入れ替えて薄めることで、CO2濃度は下がります。 だから 換気の量が適正かどうかを判断する上での指標となるということです。
CO2濃度と身体への影響
~450PPM 大気に近いレベル
~700PPm 長時間滞在しても健康に全く問題のないレベル
~1000PPM 健康被害はないが、不快と感じる人が出てくるレベル
(これを上回らないように計画せよという基準数値)
~1500PPM 労働現場の基準値。オフィスなどの生産性を妨げないようにという数値
~2000PPM 眠くなる人が多くなるという体調変化が出てくる数値
~3000PPM 肩こりや頭痛を感じる人が出るレベル。健康被害のでる直前の限界。
3000PPM~ 長時間の滞在は健康に被害が出るレベル。
5000PPM~ 危険なレベル。
というような関係があるそうです。
CO2濃度が高いとなぜ 体に良くないのか?
CO2濃度が高すぎると肺からCO2交換が低下し、血中酸素濃度が下がります。脳細胞や体の組織が酸欠になり、代謝も阻害されます。 最初にやってくる頭痛は、危険を知らせるシグナルというわけです。
実際に色々測ってみた
そこで かなり高額だったが、 アメリカ製のCO2濃度測定器を購入しました。これを使ってお客様の家などを測ってみました。
「五十嵐の家A」の場合、1357PPM
大人4人でわいわいやっていること、ガスでお湯を沸かしていたしで、やや高め。
以上を考慮してもやや基準値を超えていることは間違いない。
暖房していて加湿をしていないと湿度は40%を切るのが普通であるが、この空間は50.9%とやや高く、その両点から、やや換気量不足という判定がされます。
換気経路での引き戸を少し余計目に開けるなどして、暮らし方の改善をアドバイスしました。
1000PPMなら合格
当方の事務所でかなりいろいろな状況で観察しましたが、朝のだれもいない事務所の数値でも600PPMを切ることはありません。 700PPMが理想だとはいいますが、計画換気量をかなり上回らないと実現は難しいのではと考えます。
さらに換気を強めると 熱損失+過乾燥の問題も起きてきます。
1000PPM程度であればひとまずの合格なのではないでしょうか?
オガスタ事務所の場合 600~2500PPM
(旧 貸テナント時代のお話です)
去年は今年の半分の広さで営業していて、石油ストーブ併用していました。
空気の汚れがマックスになると目の前の波潟君が眠そうになる。
計測器を確認すると7000PPM。!! あわてて換気することはたびたびでした。
かなり石油燃焼の開放式暖房器具は危ないと、数値を見ると納得です。
今年は隣を借り増しして倍の気積になって、ちょうど汚れ具合も半分で高くなっても2500PPM程度になってます。 ストーブをつけないでエアコンだけの暖房では1200PPM程度に安定します。事務所は1500PPM以下が基準値なので、まあまあ合格の空気質になりました。
バリバリ石油ストーブで暖房している空間は危険
愛着工房いしかわさんの事務所に、サーモカメラも持ち込みました。 暑いところと冷たいところ。見事にいろいろな熱があるから見たことがないほどカラフルです(笑)。実に美しい。
CO2濃度は なんと 約7000PPM
言うまでもなく完全に危険ゾーン。
しかし、ここにいた個性的なメンツはだれしもなんてもないように談笑。
頭痛を訴えているのは私だけでした。
変わっているのは私じゃなくて、そこにいた皆さんなんですよ。(笑)
特にいしかわさん。ストーブつけてそこで寝ないように。 やばいよ~。
しかしながら、開放式ストーブが当たり前であった昭和の時代、けっこう似たような状況の環境というのがあちこちの家庭にあったと思われます。 (火事の原因にもなるし)
なかなか人間というのは丈夫にできているとでもいいますか、慣れというのもすごいといいましょうか。 温度と空気質を見えるようにするといろいろなことが分かってまいります。
ヨーロッパの方が、日本人は室内で石油ストーブを使っていることを知ると、「毒ガスを発生させている」とびっくりするといいます。 新築で高断熱住宅にすることで、開放式の暖房器具を使わないで済むようになります。