① 全館暖房は、家じゅう同じ室温にしなければならない? は誤解
全館暖房というと、家の隅々まで同じ温度にしなければならないと考えている方がいらっしゃるようですが、実現するには結構大変ですし、そもそもそこまでの厳密さは不要です。
ソファーに座ってゆっくりしているリビングが、一番要求される温度が高く、
立ち仕事になるキッチンは、活動で体に熱が生じるのでリビングより低くても気になりません。
布団を掛けていて寝ていて活動しない寝室は、より温度が低くてもよいし、人のいない納戸は言うまでもありません。
問題の起きない範囲で温度差は許せる
全館暖房は全館同じ温度にすることを意味してはおりません。
むしろ問題のない程度で、家の中に多少の温度ムラが発生してもいいと考え、
少ないエアコン設備で少ない温度ムラで落ち着くよう苦慮して計画します。
大手ハウスメーカーの中には、全館床暖房を標準というところもあるようですが、私からみると設備過剰。 断熱の本来の目的は暖房を省くことなのに、矛盾があります。「家の中で温度ムラを作らない」ことを目的にそうしているのでしょうが、ずれていると考えます。
しかし、ある程度以上に温度差が生じると、何かしらの問題が生じます。
極端な問題発生はヒートショックで、防止すべきなので温度差はないほうがいいし、
結露防止の観点で、家全体で温度差の許容範囲は、4度以内と我々は考えます。
建物の断熱性能を上げていくと、家の中での温度差がどんどんなくなっていきます。理想的にはHEAT20のG2グレード以上にすると誰しもが満足いく水準になることでしょう。
暖房していない寝室の温度は どれくらいか?
床下エアコンの場合は、設置している場所付近が1番室温が高くなり、そこから離れると温度が下がっていきます。