コロナ予防のため 3密を避ける
2020年は東京オリンピックの年ではなく、
人類がコロナと闘う年になってしまったようです。
オリンピックの1年先への先送りも決定し、
首都圏東京は、閉鎖にならぬか怯えています。
日本は公衆衛生と規律がしっかりしているために、
諸外国のように爆発的な感染の広がりを
今のところは見せていないのが何よりです。
中国の生産が再開し、トイレの受注が再開し、
住宅建築においては安ど感が出ております。
細かいことは 日替わりなのでこの辺にしておいて、
コロナにまつわるところで、
住宅に関して様々な疑問や誤解があるようなので、
コロナ時代に必要な住宅の条件を整理してみたいと思います。
「換気の悪い密閉空間」
「手の届く距離に人が密集」
「近距離での会話・発声」
の3つの条件が揃うところが
コロナ感染の危険性があります。
それでは 住宅の中での暮らしでは何を注意したらいいのか? ですが、
手洗い・うがいという衛生面での対応が最重要ですが、
各方面から、換気の重要性が叫ばれてます。
そもそも 換気ってなに?
比較的新しい住宅は計画換気が義務付けされていて、
ただしい風量で換気回数が守られているならば、
あまり心配はしなくてよろしいでしょう。
では そもそもですが「換気」って なんでしょう?
家の中で生活していると空気は汚れてきます。
人間の呼気から出ている二酸化炭素。生活の臭い。
それと余分な水蒸気などが溜まってきます。
空気の入れ替わりが無いと「空気の質が悪くなる」と考えます。
例えるならばお風呂に入っていて、
誰かが浴槽の中でおしっこをしたと考えてください。
それをきれいな元のお湯に近づけるにはどうすればいいでしょう?
まずは排水口を開け、お湯を外に逃がすこと。(排気)
そして、抜けていったお湯と、同じだけの量の足し湯をすること。(給気)
この2つを同時にすることによって、おしっこの濃度を薄くします。(希釈)
換気は給気と排気による、室内空気の希釈がその本質です。
2時間で1回空気が入れ替わるか?
住宅においては、室内の空気が2時間で1回入れ替われば、
問題が起きない水準に薄まったよね、ということになり、
毎時0.5回転の換気量が基準になりました。
例えば、天井高が2.4mの家で、面積が100㎡(30坪くらい)ならば、
空気の容積は240㎥。 毎時120㎥の換気風量ならばOKという計算です。
ビル管理法でも、一人当たり30㎥の換気量をせよとの規定がありますが、
ちょうど家族が4名ならば30x4=120㎥となり、合致します。
基本的に、この換気量がキープできていれば問題は起きないということになってます。
当然ながら、換気量がより多い方が、
希釈する速度が速いために、より空気が新鮮になりますが、
冷暖房していれば、空気の入れ替わりで熱が無駄になる。
バランスの取れた換気量として、
日本においては、0.5回転にされました。
厳密には、狭い住宅で大人数がひしめき合っていれば
より空気が汚れているので、通常より換気回数は増やさなければならないし、
広い家の一人暮らしはその逆です。
一律0.5回転ではなく、汚れ具合で換気量を決めるべきでしょう。
換気量がちょうどいいかを知るには、どうすればよい?
我々のようなプロは、風流計を持っていて、その流速から計算し、風量を知ることができますが、一般の方はそんな機器はもちろん持ってないことでしょう。
どの程度汚れているかのバロメーターとして、
室内の二酸化炭素濃度を測って、調整するのがベストとされています。
しかしながら、CO2計測機は、結構いい値段がするために
一般的には普及してません。
(一番安いものでも1万円程度しますし、コロナ関係で欠品だらけ)
CO2濃度の代わりに、換気風量のバロメーターとして、
湿度をウォッチする方法があります。 これなら計器も非常に安価。
冬の暖房シーズンに、換気量不足だと多湿になり、換気量が多いと過乾燥になる。
CO2濃度よりも、水蒸気の状態のほうが問題を引き起こすので、
見張りながら換気量の調整をお願いしている次第です。
注意: 1種と3種の換気方式の違いや、生活状況でも差があります。(3種の方で全館暖房だと、この換気風量だと、加湿器なしだと過乾燥が収まらないことでしょう。)
ただし、コロナウィルスは 多湿だと長時間感染力を持続するので、
冬でも60%以上にならないように注意しましょう。
換気より通風は 強力な空気の入れ替わり
暖房・冷房のいらない、温暖なシーズンでは、
2か所の窓が1cmでも空いていれば、換気以上に空気の入れ替わりがあるので、
(換気というより通風ですが)
窓を開け、より良い空気質で過ごしましょう。
でも 1年で 通風で過ごせるシーズンは本当に短いですね(涙