家族内で感染が疑わしい人間が出た場合は、どのようにしたらいいのか?
家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、
家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか?
厚生労働省のHPから 略して転載してます。
(詳しくはリンク先:厚生労働省)
(1)部屋を分けましょう
(2)感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方で。
(3)マスクをつけましょう
(4)こまめに手を洗いましょう
(5)換気をしましょう
(6)手で触れる共有部分を消毒しましょう
(7)汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
(8)ゴミは密閉して捨てましょう
個室をあてがって、経過措置で様子を見る必要があります。
8つの条件を上げておりますが、整理すると
3・4・6・7・8の感染予防の衛生面と、
1・5の建築的・物理的な面で分けることができてます。
詳細は大本の厚生労働省のHPに譲るとして、
この記事は、病人隔離室の換気についての考察に専念します。
換気はどうすればいいのか?
計画換気は1種3種とあり、方式により対応が変わります。
3種換気の場合は、
(図:山本建設さんのHPより転載)
部屋に設けられた外気導入口から給気し、
部屋からの空気は、廊下を通過し、トイレなどのファンで外部へと排気される
感染の疑わしい家族を隔離した部屋の空気が、
共有空間を流れてしまいますので、望ましくありません。
隔離部屋は窓を開けての 通風で対応するしかないでしょう。
それでは 夏冬の外気温の影響を受けすぎるので
何かいい方法は無いか? 考えました。
そこで有効なのは、ロスナイの設置です。
1つの器具で同時吸排気を、簡易的な熱交換素子を介して行う、1種換気扇です。
本格的な1種換気はダクト工事が必要ですが、これは付けるだけ。
昔からある製品で値段もお安いものです。
その隔離室には100φの給気口がついていれば、
室内側のレジスターを外し、器具を付けることは容易です。
電源が必要ですが、その際は露出でしのいでいただく。
有効換気風量が37㎥。6畳までおおむね気積が24㎥として、換気は毎時1.5回転。
これ良しとしておく。 3万程度で工事は可能。
これで病人室は給気排気が完結するので、共有空間へ汚れた空気が行く心配はなくなります。
1種の場合は?
通常であれば給気は、2階の各部屋から行われ、
吹き抜けや階段などを通じて1階に降りてきて、リビングを経由し、
脱衣所や納戸などの空間からリターンが吸い込まれて、
熱交換された後に、外部に排出されます。
(図:桧家住宅のHPより転載。)
隔離室が風上の、2階の個室でせざるを得ないケースは、
3種の時と同様に、隔離した部屋の窓を、
0.5センチ程度隙間を開けてもらい、
直接排気がされるようにすることがよろしいでしょう。
建具の周りを隙間テープなどである程度塞ぎ、
給気風量もマックスとして、隔離室内を正圧にすることで、
窓からは排気がされていく。
(給気は機械で排気は自然の2種換気)
病人隔離部屋を想定した換気計画
(これから建築計画をするケースで)より確実に経路を分けたい方は、
隔離室と想定している部屋に、パイプファンを設け、
3種併用とすることも有効な手段と考えます。
通常150㎥で給気排気の風量としていたものを、パイプファンを50㎥で回し、給気を200㎥・排気を150㎥に調整します。寝室が6畳間ならばおおむね毎時2回転の換気風量になります。
(給気と排気を機械にしているが、熱交換していない1種換気)
今までは住宅で病人隔離するという発想は無かったと思いますが、今後、プランニングで想定するケースが増えるのではないかと予見します。
窓を開けましょう
ただし、窓を開けたほうが圧倒的に換気量が多いです。1cm程度開けただけで十二分に空気は入れ替わりますので、過ごしやすいシーズンでは窓開けておきましょう。