太陽熱給湯器は使えるのか?

admin

太陽熱温水器に対する質問がありました。

「エコで、ガス代の節約にもなりそうなので、
真空管式太陽熱温水器の設置を検討しています。
冬は12月から2月に積雪1メートルほどある地域です。
相模社長の客観的なご意見をお伺いしたいです。」

とのご質問がありました。
積雪の状況からすると、新潟の我々と同じような地域にお住まいとお見受けします。
つまり冬は日射量が少ないってことです。

想像以上の給湯エネルギー:

まず本題に入る前に、新潟市にお住まいの方の年間電気使用量を系統ごとに分けたグラフを紹介します。これは私どものお客様ではなく、断熱性能はG1レベルのそこそこの性能の住宅です。

赤色の線が1階のエアコンで、冬の暖房、夏の冷房に使用され、水色の2階のエアコンはほとんど稼働していないことがわかります。
注目すべきは青色のエコキュートの使用電力です。
年間の電力消費の約4割が給湯エネルギーで、特に外気温と水道の温度が低くなる冬がピークになっており、暖房エアコンの消費電力の倍程度の電力を使用しています。
これは多くの方が予想以上だと思います。
したがって、1月や2月の電気代が高い原因を断熱性能だけに求めるのではなく、エコキュートの消費電力も疑うべきです。

また、春と秋の中間期でもそれなりに電力を消費していることにも注目してください。つまり、給湯は皆様の想像以上にエネルギーを使っていて、実に家庭での消費電力の4割は給湯です。(新潟市)

おひさまエコキュートが競合する:

太陽熱温水器は昔からある技術で、一時期の強引なセールスが社会問題になり、イメージが悪化したことで、販売が急減しました。その後開発された真空管方式は、寒い時期でもエネルギー効率も優れていますが、あまり普及していないため(量産効果が効かず)初期費用の投資回収に難があるとされてます。

(写真:吉田克也様のHPより)

そうこうしているうちにソーラーパネル(PV)が安価となり、
屋根に載せることがスタンダードになってしまいました。
現在では、おひさまエコキュートでお湯を沸かす方式が注目され、それとの比較になるでしょう。

どっちみち もう一つの設備が必要:

太陽熱温水器を使用すれば、特に春から秋にかけての給湯エネルギーを大幅に削減できる可能性がありますが、太陽熱温水器だけでは安定してお湯を供給できないため、補助的に給湯器を併用する必要があります。これにより、設備が重複してしまいます。これが弱点です。

つまり、おひさまエコキュートでお湯を沸かし、その前のプロセスで太陽熱で余熱するという方法が考えられますが、太陽光温水器はオプション的であり、その追加投資での費用対効果は私は試算しておりませんので分かりません。

パッシブハウス関係の方々が同様の床置きタイプで計画したケースを複数知ってはいますが、極端に事例は積雪地では少なそうです。例えば山形エコハウスEHでは、太陽熱給湯⇒ペレットボイラーでの加熱⇒給湯・床下暖房、という設備を採用しています。

しかし、ネット情報を見る限り、冬季でも太陽さえ出ていれば十分にお湯も作れているようで、新潟市においても温暖化で冬に日射時間は非常に増えた印象です。

庭に直置きで設置できるスペースがあり、徹底的にエコを追求したい方であれば、太陽熱温水器の導入を検討する価値がありそうです。
(新潟市で実際にチャレンジしたい方が現れれば、その応援はサポートしたいと思います)

 

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