トップライトは雨漏りする?
ユーチューブのコメント欄からこんな質問が寄せられました。
「天窓ってとにかく雨漏りの確率が高い印象です。
しかし、不具合を起こしている多くの天窓が20年以上前に取り付けられた物という話もある。
最近の高性能な天窓で、メンテもきちんとするという前提なら心配はあまりしなくても大丈夫なのですかね? 平屋ブームということで、採光の問題から天窓の設置検討が増えていると思います。」
天窓の魅力とリスク
採光を考えるなら天窓か、それともドーマーか?
天窓は、自然光を取り入れるための素晴らしい手段であり、特に平屋や暗くなりがちな部屋に採光をもたらす理想的な方法です。しかし、同時に「雨漏りしやすい」「結露が心配」といった不安を抱いている方も多いのではないでしょうか?確かに、過去に設置された多くの天窓は、特に20年以上前の製品において、雨漏りや結露といった問題が頻発していました。この記事では、天窓の最新の状況と、天窓の代替手段としてのドーマー窓についてお伝えします。
天窓の弱点とは?
まず、天窓を設置すること自体が、屋根に大きな開口部を作るということになります。屋根は本来、家の中でも最も重要な「防水」の役割を担っています。そのため、屋根に開口を設けることは、雨漏りのリスクを上げることになります。過去の日本製の天窓では、特に雨漏りや断熱不足による結露が問題視され、消費者から多くのクレームが寄せられたことがあります。
現在の天窓の性能はどうか?
しかし、最近では天窓の性能も大幅に向上しています。特に、天窓に関しては「ベルックス製品」に限ると言われるほど、ベルックスは高い信頼を集めています。このメーカーの天窓は、防水性や断熱性が優れており、きちんとメンテナンスを行えば、雨漏りや結露の心配を大幅に軽減することができます。
※1ベルックス製品の特徴としては、特殊な防水パッキングと優れた断熱性を備えている点が挙げられます。これにより、過去の天窓に比べて格段に耐久性が向上しており、長期間にわたり安心して使用することができるでしょう。
設計・施工での注意すべきは、積雪地の場合はトップライトの上の部分に雪を抱かないようにする施工が必要です。長期間雪が接してしまうと毛細管現象で水を室内に侵入させてしまいます。
※1 デンマークのトップライト窓のメーカー。世界はもちろんNo.1 日本市場で70%以上の圧倒的シェアを誇るブランド企業です 総合カタログの表紙に「柳沢の山荘」の写真が採用されてます。
施工事例 グランドピアノのある家
この事例では、トップライトの脇の壁が斜めになることで、光の広がりを実現。
更に、空気が対流しやすいので結露しにくい構造になっている。
ドーマー窓という選択肢
それでも、天窓を設置することに不安があるという方には、ドーマー窓(ハイサイド窓)という代替手段をおすすめします。ドーマー窓は、屋根の一部を隆起させ、その側面に窓を設ける手法で、屋根の構造を壊さずに光を取り入れることができます。
例えば、当社で手がけた「金衛町の家」では、天窓の代わりにドーマー窓を採用しました。
この方法により、屋根に大きな開口を設けることなく、自然光を室内に取り込むことができ、雨漏りのリスクを避けることができました。ドーマー窓は、天窓ほどインパクトのあるデザインではありませんが、安全性の高さと採光のバランスを取ることができるため、平屋や屋根面積の広い住宅には非常に有効です。
天窓 vs ドーマー:どちらを選ぶべきか?
結論として、天窓には確かに魅力的な要素が多く、特にベルックスの製品を選べば、メンテナンスをきちんと行う前提で、雨漏りや結露のリスクを大幅に減らすことができます。ただし、どうしても天窓に対する不安がぬぐえない場合や、屋根に余分な開口部を設けたくない場合には、ドーマー窓(ハイサイド窓)が安全な選択肢となります。
天窓は光の入り方に大きな変化をもたらし、室内空間を明るく、開放感を感じさせる一方で、屋根の防水性能を弱めるというリスクを伴います。その点、ドーマー窓はリスクが少ないため、安全性を優先したい方にはおすすめです。
まとめ
最終的には、家の設計や希望する住環境に応じて、天窓にするか、ドーマー窓にするかを選ぶべきです。天窓は正しい設計・施工をすれば、従来の問題を解決できますが、施工する工務店が過去に実績がないときには要注意と言えるでしょう。
一方、ドーマー窓は安全性に優れており、長期間にわたって安心して使用できる選択肢です。どちらが自分の家にとって最適なのか、ぜひしっかりと検討してみてください。