先日基礎工事が完了した、「北三条の家」。
実は基礎コンクリート打設後、数日間、雨が降りました。
そんな時、施主からこんな質問が。
「コンクリートを打った後に、雨が降ってるのだけど大丈夫?」
「コンクリートが固まらないのでは?」
よくある質問なんですが、
いつも、「心配ないですよ!」と答えています。
今回はその理由について、少し詳しく解説します。
コンクリートは化学反応で硬くなる
コンクリートはセメント、水、骨材(砂、砂利)を混ぜて造ります。
この中のセメントと水が「水和反応」という化学反応を起こすことで硬くなります。
つまり、水が蒸発して乾燥するから強度が出るのではなく、
セメントと水の化学反応によって、強度が出る性質があります。
なので、コンクリートが雨に濡れて、乾かなくても、
強度にはなんら問題ありません。
実際、コンクリートを水中で打設することもあります。
※ 鹿島建設HPより転載(https://www.kajima.co.jp/news/digest/aug_2014/feature/question2/index-j.html)
雨が降った方が良いことも
セメントは、水和反応を起こす際に発熱します。
高温のままコンクリートが硬くなると、水和反応が終わる前に必要な水分が蒸発して、
想定していた強度が出なかったり、収縮が激しくなり、割れが入ることがあります。
住宅レベルの基礎では、大規模建築物と比べて、
断面が薄いので、熱がこもって、高温になることは基本的にありませんが、
雨が降ることで、反応熱による、水分の過剰な蒸発を抑えることができるため、
降ってくれた方がむしろ好都合な場合が多いです。
夏の高温期には、乾燥を防ぐため、コンクリ打設後にあえて水を撒くこともあります。
雨に降られたくないタイミング
コンクリートの強度はセメントと水の割合が影響しており、
水に対するセメントの割合が大きいほど強度が大きくなります。
なので、この水とセメントの比率が大きく変わるのは避けなければなりません。
そのため、どしゃ降り(20mm/時間以上)の中コンクリートを打つのは避けた方が良いでしょう。
但し、コンクリート1㎥あたりに水は200~300Lと大量に含まれているため、
小雨であれば、強度に大きな影響はありません。
まとめ
コンクリートは乾燥により硬くなるのではなく、
水和反応という化学反応により硬くなります。
そのため、コンクリート打設後に、雨が降っても問題ありません。
また、打設中に強い雨に降られた場合、
コンクリートの強度が出なくなる恐れがあるので、注意しましょう。