基礎工事は住宅の”基礎”となる部分なのでとても重要な工事になります。
内容も深~く建築士の試験では広範囲で学ぶ分野になっています。
床下防湿措置
床下に湿気が上がらないように床下防湿措置を行います。
基礎の構造によっては除外されることもありますが、主に2つの方法があります。
ひとつは防湿フィルムを敷く方法です。
近づいてみるとこのように地中側に水滴ができています。
フィルムとフィルムを重ねる幅は150㎜以上と決められています。
もう一つの方法は厚み60㎜以上の防湿コンクリートを打つ方法です。
上記のような方法で防湿措置をすることで床下のカビや結露、土台の腐食などを防止し劣化を防ぎます。
隠蔽されてしまう鉄筋
続いて行うのは配筋です。
鉄筋はたくさんいれれば頑丈というわけでもなく、決められた間隔を確保することで正確に強度が出るように構造計算をしています。
鉄筋には鉄筋同士の間隔であるあきと、鉄筋に対するコンクリートの距離であるかぶり厚さというものがあります。
十分に確保しないとコンクリートの流動性が悪くなったり、鉄筋がさびてしまうということが起こります。
かぶり厚さを確保に用いる材料のひとつとして、スペーサーというものがあります。
このスペーサーは向きによって厚みが違うので、使用箇所によって使い分けています。
また、鉄筋には重ね長さと定着長さというものがあります。
重ね長さ
弱くなってしまう継手部分を一本の鉄筋と同等の性能を発揮させるために確保するもの。
定着長さ
鉄筋を他の部材の中に埋め込む長さ。鉄筋の引き抜け防止のために確保。
どちらも鉄筋の径により長さが決められています。
型枠を組んでしまってからだと修正が難しくなるため、この段階で確認を行います。
上記の点を現場でチェックし、写真に納めていきます。
更にこういった、重要なのに後に見えなくなってしまう部分は第三者より配筋検査というものをしてもらいチェックをしてもらいます。
型枠工事
配筋検査の終了後は型枠を組みコンクリート打設の準備をします。
形を作るための型枠はコンクリートが固まった後に取り外しやすいよう、油が塗ってあります。
この時、鉄筋に油がついてしまうとコンクリートと鉄筋がうまくくっつかないので型枠を組む前にあらかじめ塗っています。
そして、コンクリート打設前に基礎と土台を緊結するアンカーボルト、基礎と柱を緊結するホールダウン金物を打設前に設置します。
打設前に行うことで、設置忘れや設置位置のずれなどの防止になります。
コンクリート打設
コンクリートの打設前に最終チェックとして、配筋検査時の指摘事項が改善されているか。また、清掃状況なども確認します。
チェックが終わったらコンクリートを流し込みます。
オガスタでは基礎を一発打ちしています。
一発打ちは基礎を一回の打設で施工するので一体で継ぎ目がなく、強度が上がります。
コンクリートは配合によって強度が変わってきます。
構造計算により設計基準強度というものが決まりますが、設計基準強度と実際に使用する強度は違っています。
気温や気候によって強度が落ちてしまうのを防ぐため、設計基準強度+3N/㎟とすることが多いです。
そしてコンクリートが固まったら型枠を外した姿がこちら↓
この日は雨だったこともあり汚れていますが、ここから職人さんによる仕上げ作業です。
こちらは型枠を外した後にできるばりなどをサンダーを使って排除していきます。
仕上げ作業は見た目を良くするだけでなく、安全や施工性を上げるために行います。
後日現場へ行くときれいな基礎が出来上がっていました。
天候が悪い日が続いていましたがどんな天候であれ、工程通りに進めていただく職人さんに感謝です。
調べてみると戦時中の日本では竹筋コンクリートといって鉄の代わりに竹を使っていた時代があるようです。
鉄筋は引っ張られる力には強いですが、圧縮の力には弱いです。
逆にコンクリートは圧縮に強く引張に弱いです。
互いの弱点を補いあい、強度と耐久性を向上しているとても相性の良い組み合わせです。