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「弥彦の家D」欅・ケヤキ板の再利用

塩谷 英一塩谷 英一

古い無垢ケヤキ板の加工

お施主様から使える場所があれば使ってほしいとのご要望を受け、無垢の欅・ケヤキの板材を加工して室内の壁面で使いました。
お施主様が小屋に長年大切に保管していた21ミリ厚の無垢材で、ホコリを払って見てみると穴ボコや割れが多く、比較的平らで落着いたモノもあれば反り返ったモノもありました。

枚数に限りがあるため無駄なく最大限どこで使おうか、
圧倒的な存在感があるため他の素材とどう融合させて使おうか、
板の長さが半端なため縦の継ぎ目をどうしようか、
それと横の継ぎ目はどうしようか、
反ったモノはどう使おうか、
素晴らしい厚みの板なので木の塊り感をどう見せられるか、
ケヤキは大変に堅いので機械のカンナのほうが負けないか、
それと留め方はどうしようかなど、
既製の板をちょいちょいと張るのとは丸でちがう難しさと面白さがあり、なかなかの思案のし甲斐がありました。お家が仕上がってから眺めたときに、何となくいいねというような風景を家の中につくれたらと思っております。

↑作業場に持ち帰った加工する前のケヤキ板。

↑一度粗く削って厚みをそろえます。

↑材に無駄が出ないよう配慮しながら、使えない部分を最小限でカット。

↑二度目を削る前に、年季の入った加工機の刃を研いで、はてさて。

↑二度目の削りで粗さを少し落とします。

↑反りがある材は削り残りが出るので、手のサンダーがけで仕上げます。

↑加工したケヤキ板、はてさて。

古いものと新しいものを混ぜる

古さの素晴らしいところは、その情報量ではないでしょうか。
歴史的な古材であればそのままで昔の民家の小屋裏みたいにアニミズム的な雰囲気をもちますし、使い古した材は加工して新しい素地を現したりカタチを変えたり、新規材と組み合わせたり混ぜ合わせて新旧が渾然一体になったり、という新しい在り方もあります。
古い木造建築でも古い木材でも、冷凍保存でなく動的な状態で残るには、今への即応というか変化させることが必要なのかなと思います。
次につながるための息継ぎのようなものでしょうか。
新しいけどなんか懐かしいねとか、なんか味わい深いねとか、そんな広がりと可能性をともなうのが興味深く、大事なのかなと思ったりなんかしております。

塩谷 英一
設計部

塩谷 英一

設計部 一級建築士

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