アイラ島からグラスゴー空港に戻ってきて、
ロストしていたスーツケースを回収する。
さすが、スコットランドは飛行機もタータンチェック柄だ。
グラスゴーの街のホテルに着いた時には21時近くになっていた。
グラスゴーはスコットランド最大の都市で、18世紀ごろから造船で栄えた工業都市だ。
ところどころにある古い産業遺産と、
ゴシックの伝統建築の混ざった独特の都市の雰囲気が漂う。
旅に慣れてきたので、バスを利用しながら移動する。
グラスゴー大聖堂は行っておかねばならないスポット。
他にもいろいろ訪ねたが、ケルビングローブ美術館博物館がとても良かった。
イギリスは、日本の2倍から3倍ほど物価が高いけれど、
このような博物館は入場料が無料であることが素晴らしい。
ロンドンの大英博物館も無料だとのこと。
大英帝国時代に世界中から集めてきた収蔵品がこの国には溢れている。
教育文化が人を育成する。
アートや文化を、若い市民に触れる機会を与えることで、
国が長い目では栄えてくるのはわかっているのだろう。
日本あたりも日本人限定で国立博物館の入館料を無料にする策は有効だと思うが、
変なところに金を使いすぎて貧乏な国になってしまって、それもできない。
博物館に入ったら、真っ正面の2階にパイプオルガンが据え付けてあり、ホールに音が鳴り響いている。
バッハの宗教的な音楽だけでなく、2001年宇宙の旅のような、現代の音楽も演奏されていて、みんな無料で鑑賞している。
象の剥製とスピットファイアが同時に展示されているなんてシュールです。
ナイトミュージアムと言う映画があったが、ほんと映画の中に入ったような世界でとても気に入った
我々の目的は、アールヌーボーの時代に活躍したマッキントッシュというデザイナーの作品を追うこと。彼の偉業が現在のモダン建築のルーツとも言える。
Macintoshの作品がグラスゴーの街の中にポツポツ立っている。
関わったカフェもあり、中は満員で覗くだけで留めておいた。
しかし、老朽化によって壊されているところもあり、
壊された断面はそのままだと殺伐としてしまうために、パブリックアートで彩られている。
スコットランドの人は、比較的日本人に対して好意を持ってるようで、
スターバックスでコーヒーを飲んでいると、民族衣装を着たお父さんに声をかけられた。
話すと、どうやら身内の結婚式に行くために正装でやってきたんだとの話。
そう。日本ならば着物で結婚式に行くように、
スコットランドの方はこの伝統的なファッションに誇りを持って歩いていたのだ。
スコットランドの市街地は、火事の影響なのか酸性雨なのか、石造づくりの建築群は黒ずみ、緑地もほとんど無く、コレでもかとコテコテした石に囲まれた印象を受ける。観光で通り過ぎる分にはいいけれど、ここは住めないなというのが素直な印象。
建築工学や、橋のマニアは、必ず知ってる世界遺産のフォース鉄道橋を、ボートでクルーズして鑑賞する。
ノルウェーよりも、風が強い分だけスコットランドは寒さを強く感じた。
このクルーズが響いたのか、若干熱が出てきたので、アスピリンを飲んで忍ぶ。
郊外の街はニコイチの集合住宅である、セミディタテッドハウスが並んでいて、敷地もゆとりがある印象だ。
夕方、電車に乗ってエジンバラへ移動する。
イギリスの夜はやはりバーで時間を過ごしたい。
西方師匠を誘って、ビールとスコッチをたらふく飲む。
ギネスビールの生ももちろんおいしいが、IPAがフルーティーで私は気に入った。
エジンバラはスコットランドの首都で、旧市街地が保存され、歴史的な街並みが特に残っている。
アーサー王のゆかりの地である丘に登り、街を一望してみる。
朝からハイキングで、体力が削られていく。
ハリーポッターの作者である、J.K.ローリングの出身地であるエジンバラは、
あの映画の世界観に1番近い街ではないのか。
実際映画の中でも出てくるシーンがあって、このカラフルな間口の狭い商店街が、
実際に作品の背景として使われているとの事。
エジンバラにはお城があり、夜になるとライトアップされてきれいだとの話。
しかし、くたびれて見に行く力が残っていなかった。
旅のラストはスペイン、バルセロナ。
果たして無事にたどり着けるのであろうか?
続く・・・・・・