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結露がひどい…洗濯物の水蒸気にご注意

洗濯物を干す時にどのくらいの水蒸気が出るか?

冬の暖房シーズンは室内が過乾燥になりやすい。
過乾燥対策に、洗濯物の室内干しが有効だというのは定説です。
しかし、洗濯物からです水蒸気の量が想像以上です。
どの程度なのか定量化してみるといろいろと分かってきましたので皆様にご紹介したします。

あるOBの方から「窓の結露がすごい。」と連絡があった。
小林監督が朝一番で訪問し、家に入るともわっとした湿度を感じたそうだ。
2階のホールの窓ガラスに結露がびっしりとある。
部屋の中は18℃。昨晩に薪ストーブを燃やしたっきりで朝にストーブは付けてはいないという。保温性は良い。が 湿度は80%程度ある。

ちょうどその日の8時が最低気温で2.7℃。
室内が18℃で湿度80%の空気だと 絶対水蒸気が12.3g/�
この空気は14度まで冷やされると結露になるから、ガラスの表面温度は13度くらいだろう。


窓に結露が生じている2Fホールには、洗濯物が大量に干してある。
おとな2人と、こども3人の洗濯物。特に柔道着のような重い洗濯物も含まれている。
洗濯物から出る水蒸気を計画換気では吐ききれずに湿度が高い状態になっていると推測できた。 結露の主因はこの洗濯物だとにらんで計算をしてみました。

室内の空気の量は240�で、計画換気は1時間で1/2の空気が入れ替わるように機種選定をする。計算通りだと120�となる。
現実的には3種換気は負圧の関係から1/3回転程度だとする。

その当時の気象状況が、外気温3℃湿度70%とする。絶対水蒸気量は4.1gとなる。
一般的な冬の室内は、室温20℃の湿度50%としましょう。

となると室内の絶対水蒸気は8.65g。外気の4.1gで その差が4.55g
1時間で364g 丸1日の24時間で8,736g。

以上 ぐちゃぐちゃ計算しましたが、普通の状態では
計画換気で 1日で8.7Lの水が外部へと排出される。と分かりました。

普通に人間が生活していると、内部発生水蒸気は、一日で8L程度生じているそうです。

そうなればちょうどいい換気量です。
発生水蒸気と換気量が揃ってきて、湿度は50%で維持できる。
これが24時間運転している「計画換気」なわけです。

この家の場合は、洗濯物からどれほどの水蒸気がでてくるか? 実験をしてみた。
乾燥している木綿のタオル。182g
水で浸し、これでもかと固く絞ると429g 重量比で2.35倍になった。


ということは 洗濯機満タンの洗濯物は10kgとあります。
その洗濯物が 水を吸うと23.5kg (全部が木綿として)にもなります。
含まれている水分は13.5Lともなる。
仮に10時間で乾くとして、平均で1.35L/時の水蒸気が発生することになる。

これは全体家から通常発生する1時間当たりの水蒸気より3.7倍という はるかに多い量ということが見えてくる。そのために、2階ホール部分は多湿になっている。
そして、一番表面温度の冷たい窓周りが結露になったというメカニズムが見えてきます。
(サッシはアルミ樹脂枠のローイーペアガラス)

新潟県は冬に洗濯ものを外に干しても乾きませんので、室内干しが定番です。
冬でも外に洗濯の干せる太平洋側の方にはピンと来ないかもしれませんけど。
「過乾燥対策に、洗濯の室内干しは有効です。」とはいいますが、新潟県の場合は、やりかたによっては過湿が過ぎて結露の原因になります。

定番手法としては脱衣所を広めに設計して、そこで干してもらっています。脱衣室での洗濯干しは隣接する風呂の換気扇を動かし続ければいいので対応が簡単です。
お風呂の換気扇の風量は、トイレのだいたい2倍程度の能力があってちょうどいい。
そして、換気経路の最後であるから室内側へと水蒸気はやってこない。

2階ホールのような住宅の中間地点で干す場合は、ちょっとやっかい。
計画換気だけではさばききれません。乾くまで窓を1cm程度開けて、
通常換気以上に空気が入れ替わってやるようにすることが考えられます。
新築計画であれば、洗濯干し場は、トイレ・お風呂・キッチンのように「局所換気」が必要だという認識で臨んだ方がいいということが言えます。

 

相模 稔
代表取締役

相模 稔

オガスタの社長。 工務店経営のほか講演活動なども行う。 アメブロ「おーがにっくな家ブログ」もよろしく。

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