和の渋かっこいい現代町家「茜ヶ丘の家」
和の渋かっこいい現代町家
基本設計/相模稔 実施設計/阿部誠治 監督/波潟靖
- コンセプト
- 施主様のお好きな路線は明確で、一言でいうと「和の渋かっこいい系」の住宅。好みだと見せてくださった写真はどれも新潟の伝説の建築家・三鍋先生の作品で、独特のアプローチの路地っぽさとウエット感が感じられる和の強い住宅。なんだか世の中、キレイキレイでつるつるした住宅ばかりが目につくが、でも人間なんかそんなに単純じゃない。少しはざらざらしたもの、真新しく感じさせないものに、愛着や親近感を感じたりもするものだ。
- 外観
- 真正面からみると、会津若松の民家にありそうな面構え。土庇で影を落としている。外壁は杉板を黒く着色し縦張りに。安田瓦の和瓦で重厚感と日本家屋らしさを強調した。外構も凝っていて、駐車スペースより建物の配置レベルが高かったので、定番の黒い石で土止めを施したのが、建物に合っている。
- 内部空間
- 仕上げは良質なものをきちんと使い、品よく出来上がった。玄関土間は深遠な感じにしたいということで、土間は奥に長く、町屋の通り庭の雰囲気を狙う。この家のリビングに該当するのは畳の和室で、太鼓貼り障子で隔てられる。塗り壁には、麻のスサを混ぜてほっくらと土らしいテクスチャー。二階には、将来の子供室。鴨居と敷居が通してあって端正であり、公園の目前という好立地を生かして、左の窓は公園方向に切り取られて視界を広げている。