朝陽を受ける片流れ屋根の家「新保の家」
朝陽を受ける片流れ屋根の家
設計:ma ヤマシタマコト
監督:石川 敬
- コンセプト
- 敷地は、長岡市 北長岡駅付近の密集した住宅地の中にある。
幅のごく狭い道に面する北入りの敷地。
ここに二台分の屋根付きの駐車場のほかに一台分の来客用駐車スペース、家庭菜園やバーベキューなどの屋外活動が楽しめる庭が求められた。
周囲の状況や敷地の形状から、セオリーどおりに南向きの家を作ることは難しいと考え、あえて庭を東側にとり、建物も東にひらく配置とした。
これにより、三台分の駐車スペースを確保しつつも充分な広さの庭をもつ、朝陽を受ける気持ちのよい家となった。
- 外観
- 住宅の顔となる北面と東面は杉板の横張りとし、大屋根の軒先、二階の横長の窓と相まって水平を強調する意匠とした。
雪の多い地域であることから、隣地への落雪を考慮して、庭側に傾斜する片流れの屋根としているが、二階を勾配天井とすることで建物の高さをできるだけ低くして圧迫感を極力抑えている。
- 内観
- 一階の主室(居間・食堂・台所)は、東庭に面して三間巾の開口を持ち、食卓からはもちろん、台所からも庭の景色を充分に楽しむことが出来る。
午後からの陽射しは、南側に開けられた高窓から取り入れ、室内が暗くなることはない。
吹抜け上部は勾配天井になっており、シナ合板の目透シ張りとした。天井の最も低いところでは高さを1.8Mに抑えている。
一階、二階とも充分な納戸を用意してあり、集中管理型の収納としている。
庭に面して作られた大きめのデッキは、屋外での活動をより誘ってくれるように思う。
- 設備
- 暖房は床下エアコンによって行う。冷房は階段室に設置されたエアコンで行い、二階のホールに溜まった冷気を、一階には吹抜けを利用して落とす。二階の個室にはホールに面して用意されたファンによって冷気を取り込めるようにしている。
換気は、片流れ屋根によってできた二階の天井懐に24時間換気扇を設置し、またこの空間をダクトスペースとして利用して各個室に新鮮空気を供給する。
- そのほか
- 当該敷地からは、握りこぶし大の、角のとれた丸い栗石が大量に出てきた。土にまみれていたが、洗うとどれもなかなかに良い石であったため、これを集めて敷き詰めて、来客用駐車スペースの舗装とした。
- 性能
- 長期優良住宅
耐震等級 2以上
Q値 1.01
UA値 0.32
暖房負荷 33.6
冷房負荷 11.8
空調方式 床下エアコン