通り土間のある小さな住まい「東栄町の家A」
設計:阿部 誠治/監督:野口 一弥
- コンセプト
- 閑静な住宅街での建て替え計画です。
敷地は北側道路の60坪。家族2人のために必要十分な大きさの住まいとしました。
瓦や杉板といった伝統的な素材、軒をしっかりと出した佇まいを好む建主さんの意向を汲んだ意匠になるように計画しました。
玄関前に色とりどりに植えられた草花が新居でも楽しめるよう、前庭、裏庭をしっかりと確保しました。
その2つの庭をつなぐように通り土間が屋内を貫く形状となっています。
土間は釣りやアウトドアを嗜む建て主さんにとって楽しい空間になりそうです。
- 外観
- 平屋と2階建てを組み合わせ、玄関側が低く大きく軒を張り出すような形状としました。
アプローチの建物際には花壇、道路際は地面を残して植栽が楽しめるようにしています。
玄関までの階段は素朴な素材でつくりながら趣のある表情になるように工夫しました。
裏庭側へ大きく開く外観となっており、ウッドデッキと土間テラスの二種の半外空間を介して屋外へとつながります。
それぞれの半外空間は奥行、素材、地面との高低差が異なることで違った楽しみ方ができると思います。
安田瓦のいぶし銀の色味と和瓦特有の波打つ軒先がとても美しく仕上がりました。
玄関ポストも要チェックです!
建主さんによる作品で、焼杉風に仕上げることで外壁のウッドロングエコと調和させるというこだわりの詰まったポスト。
大きさもちょうどよく玄関周りがとてもやさしい雰囲気になりました。
- 内観
- 南北を貫く通り土間は釣り道具やアウトドアのギアを格納、整備するスペースです。
リビングは屋根の形状を活かした勾配天井となっています。
天井には栂の羽目板が張られ、壁は建て主さんがDIYをしています。
壁付けのキッチンはコーナー窓を設け明るさと視線が抜けるように工夫しました。
リビングの大窓には障子を組み込み和の印象を強めています。
1,2階ともに杉のフロアとなっており足ざわりがとても良いです。
部分的に持ち出し形状になった階段下にはアングラー御用達の魚用冷凍庫を格納します。
2階はコンパクトな個室と手洗いを設けました。
- 規模・構造
- 敷地面積:61.6坪
延床面積:22.9坪
木造在来工法 2階建
- 性能
- 耐震等級2以上
Q値:1.60[W/㎡K]
Ua値:0.42[W/㎡K]
暖房負荷:52.9[kWh/㎡]
冷房負荷:18.9[kWh/㎡]
空調計画:床下+2F