蔵のような佇まい「三条桜木町の家」
設計:ma ヤマシタマコト
監督:波潟 靖
棟梁:遠藤大工
- コンセプト
- 敷地は三条市、五十嵐川の南に位置する「嵐南(らんなん)」と呼ばれる地域。
所謂角地だが、どちらも道幅は狭く、交通量は少ない。
「こんな感じの家にしたい」と見せていただいたのが、蔵の写真だった。
「少し古い感じで、町並みに馴染んでいる家がいい」
その言葉を咀嚼して、蔵のような面影を残す、品のある家をめざした。
- 外観
- 一階部分は杉板縦張り、二階部分はそとん壁で白く仕上げ、やや偏心した切妻屋根を載せている。
上下の外壁の切り替え部分から下屋を深く伸ばして玄関ポーチとし、玄関ドアが通りから直接見えないように縦格子で守っている。
東の表通り側は開口を抑えて、蔵を意識した寡黙な印象となっている。
庭のある南面は開口を大きくとり、掃き出し窓の外はタイル敷きのテラスとした。
- 内観
- 600角の大判タイル敷きの玄関土間は7帖と広く、その一部は書斎として使用する。
壁にはご主人のコレクションである凧(三条では「イカ」と読む!)が飾られ、来客を出迎える。
玄関土間と主室は高さ1600の家具で仕切られるものの、天井は繋がっており、奥行きが感じられる。
この家具は居間側は収納を兼ねたテレビ台であり、土間(書斎)側は本棚になっている。
南庭に面する大きな開口は幅2900の引き違い掃き出し窓。またダイニングテーブルの脇には1000角の窓が開けられ、それぞれ壁に引き込まれる障子が用意されている。
キッチンはオリジナルのセパレートタイプ。
食卓側の立ち上がりはあえて設けず、家族みんなで調理に参加する楽しみを優先した。
- 規模・構造
- 敷地面積:71.12坪
延床面積:33.23坪
木造在来工法 2階建て
- 性能
- 耐震等級2以上
Q値:1.0[W/㎡K]
Ua値:0.31[W/㎡K]
暖房負荷:2882[kWh/㎡]
冷房負荷:1493[kWh/㎡]
空調計画:暖房用エアコン1台(床下)冷房用エアコン1台(階段室)
床下の空気を強制的に階間に送るためのアローファンを設置